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第41回 日本小児歯科学会中部地方会大会および総会開催される
 10月9日(日),標記会が富山国際会議場にて開催された(大会長:佐野正之氏/あすなろ小児歯科医院・富山市).コロナ禍での中止以降初のオフライン開催となった.

 特別講演「小児歯科学を背景とした小児歯科医療のこれまでの変遷と私の歩んできた道」と題し,飯沼光生氏(朝日大)が登壇.飯沼氏のこれまでの研究内容等を紹介したうえで,今後の小児歯科臨床に求められることとして,臨床研究の必要性,ガイドライン作成とそれに基づく診療,生涯を見据えた診療,全身の一器官としての口腔という視点が重要であること等をまとめた.

 教育講演「未来の小児歯科医療に向けて -研究の最前線からの提言-」では,齊藤一誠氏(朝日大)と中村由紀氏(新潟大)が登壇.齊藤氏は,自身のこれまでの臨床研究・基礎研究について紹介し,大学人としては論文発表等によりエビデンスを形にすること,開業医に向けては,継続的診療により臨床知見を見出すこと,ネットワークをもつこと,学会等を活用し情報発信することが重要であるとまとめた.
 中村氏は,これまでの摂食機能領域の研究をもとに,小児の窒息事故等について解説.不適切な食事環境の要因として,食事姿勢,食品のサイズ・形状,ペーシング,集中力の低下,食事介助方法をあげ,食の安全性と科学的根拠に基づいた摂食支援の重要性についてまとめた.

 ランチョンセミナーとしては,「口腔機能の発達と脳の臨界期~診療室での指導~」(演者:土岐志麻氏/江崎グリコ(株)主催),「マルチイオン効果を応用した新しいう蝕予防法の提案 」(福本 敏氏/(株)松風主催),「現状に則した歯科医療における感染管理の必要性(演者:柏井伸子氏/(株)モリタ主催)」,「口腔機能の発達を考える」(演者: 蓜島弘之氏/(株)リッチェル主催)の4セッションが,コロナ対策として人数制限をしたなかで開催された.

 シンポジウム「おおいに語り合おうよ 小児歯科の未来を」では,座長・佐野正之氏(大会長,同前)による演者3名の経歴の紹介後,基調講演「小児歯科学会に求められること」と題し,小椋正之氏(厚生労働省医政局歯科保健課)が登壇.歯科口腔保健の推進に関する法律(2011年)の中間報告および今年度の最終評価や,国が目指す歯科保健医療の姿,国民皆歯科健診等について解説し,臨床現場の小児歯科医へさらなる厚生行政への協力を訴えた.
 星野倫範氏(明海大)は「大学からみた小児歯科の未来の構築のために」と題し,小児歯科を志す学生減の状況に対し,大学として学生にとってわかりやすい将来像を示すことが重要であるとし,ビジネスモデルの提示,キャリアプランニング,社会的ニーズの創出が求められると解説した.
 石谷徳人氏(イシタニ小児・矯正歯科クリニック)は自身が考案したmy management mapという小児歯科臨床管理システムを解説し,継続的・包括的管理の有効性を示すとともに,自院においても人員不足が生じた過去から院内業務を見直し,状況を好転したデジタル化についても紹介した.

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