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日本咀嚼学会第33回学術大会 開催される
 10月1日(土),2日(日)の2日間,徳島大学蔵本キャンパス大塚講堂小ホール(徳島市)にて標記大会が「咀嚼を見つめ直す」をテーマに開催された(大会長:市川哲雄氏・徳島大).
 特別講演「ヒトの咀嚼器にみる脳と言語の進化」では,西村 剛氏(京都大)が直立二足歩行を獲得することで骨盤の変化が起こり出産の制約ができたことや,大脳化とトレードオフに咀嚼器は小さくなり,音声器官にも変化が起こったことを解説(座長:市川氏).
 シンポジウム「咀嚼の効用を再確認する」では,最初に「食品破砕と栄養摂取の面から」で柳沢幸江氏(和洋女子大)がこれまで行ってきた咀嚼の研究を紹介し,食物の物性による違いや咀嚼状況・負荷の違いをめぐる成果を解説した.次の「代謝の面から観た咀嚼の重要性」では宮下政司氏(早稲田大)が安定同位体13Cを用いた咀嚼回数・摂食速度が吸収・代謝・食欲に与える影響や,歩行中のガム咀嚼によるエネルギー消費量・食行動に与える影響についての研究を紹介した.最後に「認知機能の面から」と題し,後藤崇晴氏(徳島大・本大会準備委員長)が咀嚼と認知機能の関連について,前頭前野と歯根膜に注目した研究成果を解説,最後に孤食と認知機能に関する徳島県美馬市木屋平研究を紹介した(座長・新井映子氏・静岡県立大).

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