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第51回日本口腔インプラント学会学術大会 開催される
 9月23日(金)~25日(日)の3日間,標記大会が名古屋国際会議場(名古屋市)にて「国民から信頼される口腔インプラント治療」をメインテーマに開催された(大会長:村上 弘氏・愛院大).
 特別講演「日本を語る」では,当初の講演予定であった安倍晋三元首相への黙祷に始まり,柳川忠廣氏(日本歯科医師会副会長)の挨拶,岸田文雄首相のビデオメッセージの後,三ツ林裕巳氏(衆議院議員,衆議院厚生労働委員長,日歯大)が「これからの日本 これからの歯科医療」をテーマに講演を行った(座長:村上氏).
 特別シンポジウム1「デジタルテクノロジーが変革するインプラント治療」では,最初に「ガイデッドサージェリーによる補綴設計の革新-シームレスなデジタルテクノロジーを応用した歯科インプラント治療-」をテーマに木津康博氏(東歯大)が適切なインプラントポジションのためのコンピュータガイドシステムについて,症例を示しながら紹介した.次の「デジタルを用いた顎運動解析とインプラント治療」では米澤大地氏(近畿・北陸支部)が前処置としての顎運動を含めた口腔内診査について,デジタル顎運動解析などの可能性を紹介,同時に誤差の問題を理解して使用する必要性も指摘した.最後の「顔面主導のデジタル治療計画がインプラント治療結果に与える卓越性」では築山鉄平氏(九州支部)が顔貌・スマイルに重点を置いたコンピュータガイドサージェリーについて,具体的な症例を供覧した(座長:梅原一浩氏・青森インプラント研究会,近藤尚知氏・岩医大).
 シンポジウム5「長期予後を見据えたインプラント周囲の硬・軟組織の評価法を考える」では,最初に「骨質解明がもたらすこれからのインプラント治療」をテーマに黒嶋伸一郎氏(長崎大)が骨の基本的な構造から骨質について解説,骨質を向上するインプラントシステムの開発や,硬組織が軟組織に与える影響を考察した.次の「インプラント周囲硬組織を理解し評価するために臨床論文から見えてくるもの,基礎研究からわかること」では神野洋平氏(九大)がドリリング・埋入による硬組織へのダメージを中心に,硬組織変化の評価法の考察などを行った.最後の「インプラント周囲の軟組織の安定性」では南 昌宏氏(近畿・北陸支部)が垂直的軟組織の厚みや角化組織の幅など,インプラント周囲の軟組織の安定性について論文から臨床例まで供覧した.
 BACK TO THE BASICS「温故知新,今だから言えること」では,最初の「顎関節症治療の変遷と概況」では覚道健治氏(大歯大)が咀嚼筋と顎関節の複合という現在の基本的な考え方に至るまでの歴史を解説.「可撤性上部構造での長期経過から:インプラントの活用の利点として準備しておくこと」では前田芳信氏(阪大)が利点と同時に付随する問題事象とその対応を解説し,それらを理解したうえで長期に使用可能な手段であることを述べた.「大臼歯一歯欠損に対する治療オプション~インプラントと自家歯牙移植~」では福西一浩氏(ジャシド)が患者の希望を重視した具体的な症例を供覧しながら,エナメル質を徹底的に保存することの大切さも述べた.「インプラントのデジタル化と私の臨床・教育・研究」では佐藤博信氏(福歯大)が海外の研究者との交流を紹介しながら,先進的にデジタル化を取り入れてきた経緯を述べた.「外来患者で単に義歯を装着調整しても主訴が解決しないことが!」では櫻井 薫氏(東歯大)が口腔機能検査の重要性を,そのきっかけとなった症例などを供覧しながら述べた.

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