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第64回歯科基礎医学会学術大会 開催される
 9月17日(土),18日(日)の2日間,標記大会が徳島大学蔵本キャンパス(徳島市)にて「Eureka! Desirability, Diversity, and Possibility」をメインテーマに開催された(大会長:馬場麻人氏・徳島大).
 メインシンポジウム2「我々がこれから直面する,備えるべき感染症」では,「口腔に見出されるウイルスの存在意義-ウイルス相互作用-」と題し,神尾宜昌氏(日大)が細菌-ウイルス-宿主間の相互作用について,COVID-19,インフルエンザウイルス,Epstein-Barrウイルスと口腔や口腔細菌との関連について,最新の研究成果を解説した.次の「運び屋を標的にした蚊媒介性感染症の制御」は嘉糠洋陸氏(慈恵医大)が節足動物媒介感染症について解説,ブルキナファソでのフィールドワークなどを紹介,そしてRNAウイルスにvDNAが存在することがわかったため,ゼノモニタリングの有効性が認められたことで,それを活かした感染症制御の見通しを述べた.最後の「ウイルスとの共生:レトロウイルスによる哺乳類の進化」では宮沢孝幸氏(京大)が哺乳類の歴史からレトロウイルス感染による内在性レトロウイルスを利用して進化をしてきたことを指摘した(座長:藤猪英樹氏・慶應大).
 日本学術会議シンポジウム「口腔と全身のネットワーク~脈管系から生命現象を理解する~」では,最初に「歯周病細菌による生体バリア破綻と血管修復障害」と題し,多田浩之氏(東北大)が口腔バリアおよび口腔細菌の血管への侵入について解説を行い,ジンジバリス菌の影響について研究成果をもとに述べた.次の「血管ネットワークとその形づくり」では,久保田義顕氏(慶應大)が骨格系の血管の可視化への取り組みを紹介,顎関節と長管骨の違いなど,グループの成果を供覧した.「がんおよび感染症における血管病態の解明」では,間石奈湖氏(北大)が腫瘍の増大・転移を起こす腫瘍血管内皮細胞の研究から,血管の炎症やがん転移への影響などを解説した.「口腔がん微小環境の制御における新規治療法の開発」では.渡部徹郎氏(医科歯科大)が口腔がんにおける微小環境ネットワークの解説から,遠隔臓器への転移プロセスの検討を行い,治療法への見通しを述べた(座長:樋田京子・北大,渡部氏).
 アップデートシンポジウム1「骨形成の場を整える吸収性細胞の検討」では,「下顎の発生過程において石灰化組織吸収に寄与する細胞」と題し,中村 恵氏(東北大)が下顎骨発生過程における破骨細胞の出現やメッケル軟骨の石灰化についての検討を行い,C-fos欠損マウスにおけるメッケル軟骨の軟骨基質の分解などについて知見を紹介した.次の「表皮型脂肪酸結合タンパク(E-FABP/FABP5)を発現する非石灰化軟骨吸収細胞septoclast」では,坂東康彦氏(明海大)がseptoclastの解説から正常と異常の像による役割の考察,由来と発生について述べた(座長:笹野泰之氏・東北大,天野 修氏・明海大).

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