Ishiyaku Dent Web

歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士のポータルサイト

第65回秋季日本歯周病学会学術大会 開催される
 9月2日(金),3日(土)の両日,仙台国際センター(仙台市青葉区)にて標記大会が「世界を先導する歯周病学を目指して」をテーマにハイブリッド形式で開催された(大会長:山田 聡氏・東北大)(オンデマンド配信期間:9月20日~10月20日予定).
 歯科衛生士教育講演では,「使ってみよう!歯周病の新分類」をテーマに星 嵩氏(医療法人星仁会星歯科医院)が登壇.2018年に,アメリカ歯周病学会(AAP)とヨーロッパ歯周病連盟(EFP)との共同で歯周病の新分類が公表されたが,その経緯や新分類の見方,そして「ステージ」「グレード」別の内容を詳細に解説.また,論文には従来の「侵襲性歯周炎」「慢性歯周炎」の病名も併記することを注意喚起した.
歯科衛生士教育講演前の様子
 シンポジウム3「EBMに基づいた歯周組織再生療法の現在と未来」(座長:北村正博氏・阪大,江澤庸博氏・東京都)では,北村氏が「リグロス誕生から5年-そのアップデートとアップグレード-」と題し,同製剤の適応症と臨床効果,同大病院における治療成績等を整理したうえで,同製剤の効果を引き出すための手技的対応,骨補填材との併用効果に関する研究結果を提示.歯肉の範囲を超えた部位への同製剤投与による軟組織の硬結・肥厚例もごくまれにみられたとして,適正使用についても注意を喚起した.
 中山洋平氏(日大松戸)は「リグロスによる歯周組織再生療法に影響を与える因子の検討」と題し,同大病院で実施した,同製剤による術後6および12か月後の骨充填率の変化をプライマリーアウトカムとした後ろ向き観察研究の結果,自家骨移植術併用・MPPT(Modified Papilla Preservation Technique)応用時により効果的で,臼歯部の状態(残存歯数,動揺歯の割合,Eichnerの分類)は治療効果との関連が弱かったと述べた.
 大月基弘氏(大阪府)は「臨床から歯周組織再生療法の未来を見つめる」と題し,FGF-2製剤とエナメルマトリックスデリバティブ(EMD)の歯内-歯周病変,2~3度の根分岐部病変に対する効果や同薬剤の歯周形成外科への応用例を供覧し,FGF-2製剤はEMDと比較して現時点では臨床的エビデンスが不足していることやEMDと異なる臨床的動態を示す点を踏まえて,両者を正しく使い分けるためのエビデンス蓄積が待たれるとした.

■他のニュース記事をさがす

日付から記事をさがす
<2024年5月>
2829301234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930311
2345678
キーワードから記事をさがす

人気の歯科書籍(キーワード別)

歯科雑誌 最新号