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東京医科歯科大学歯科同窓会 文化功労者顕彰記念講演会 開催される
 7月31日(日),標記会がホテルメトロポリタンエドモント(東京都千代田区)とWeb配信のハイブリッド形式で開催された.本会は,須田立雄氏(日本学士院会員,昭和大学名誉教授,1960年卒)が令和3年度の文化功労者顕彰を受けた記念として開催されたものである.
 須田氏は「令和3年度文化功労者顕彰を受けて考えたこと 医歯二元論から出発した我が国の歯科医学の歴史と将来展望」と題し,歯科分野初の文化功労者顕彰を受けたことに関し,文化功労者顕彰の概要を説明の後,江戸時代の初代須田松五郎(松翁)に始まる代々の歯科医師としての家の歴史について述べ,東京大学理科Ⅱ類入学後に,歯科医師の後継者として望まれて医科歯科大学に編入学した経緯,その後の医科歯科大,昭和大,埼玉医大での活動を紹介した.
 日本の歯科医学の制度はアメリカの影響が大きいものの,医歯二元論はアメリカにおいても変化しており,それを踏まえて日本における戦後の歯科医学教育制度の成り立ちを解説,細菌学をめぐる齲蝕・歯周病の病因論や,中林宣男氏の接着理論やブローネマルク氏のインプラントなど,歯科・医科の一元論的なアプローチが大切であることを指摘した.さらに須田氏の研究を紹介,活性型ビタミンDの骨への作用の研究から腎臓病・骨粗鬆症患者への創薬や,骨芽細胞・破骨細胞の研究からODFの発見,デノスマブの創薬・現状などについて述べたが,氏の研究成果が歯科医学に応用できていないことが課題であるとした.
 最後に医科歯科大学に国際性や多様な人材の確保など,これからの研究に期待し,二元論での活動のなかに,一元論の考え方をどう盛り込むかが大切であることを指摘し,講演を締めくくった.

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