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日本歯科理工学会 春期第79回学術大会 開催される
 5月21日(土),22日(日),いわて県民情報交流センター アイーナ(岩手県盛岡市)にて標記大会が現地開催された(大会長:武本真治氏/岩医大).
 学会主導型シンポジウムおよびDental Materials Adviser / Senior Adviser特別セミナー「歯科医療における3Dプリンターの可能性を探る!」では,モデレーターの新谷明一氏(日歯大)が「歯科臨床を支える3Dプリンターの現状」と題して,現状で付加製造法に応用可能な歯科材料を整理し,臨床例を通じてその有用性と可能性を示した.
 次に木本克彦氏(神歯大)が「3Dプリンターの歯科治療への応用」と題し,同大附属病院デジタル歯科診療科における3Dプリンターの活用事例などを紹介し,造形物の精度向上や造形材料の選択肢拡大,費用対効果のさらなる改善が図られれば歯科治療で3Dプリンターを活用する場面がさらに広がると語った.
 金澤 学氏(医科歯科大)は「有床義歯における3Dプリンターの活用と将来展望」と題して3D Printed DentureおよびMillerd Dentureと従来法による全部床義歯を比較したさまざまな臨床研究ならびにin vitro研究の結果から,それぞれの審美性や機械的物性,粘膜面の適合性について検討.さらにコストと品質の観点からの棲み分けを考えると,3D Printed Dentureにはサブスクリプション提供などの活用法も見込まれるとした.
 佐藤洋平氏(鶴見大)は「No Digital, No Oral Implantology!」と題し,インプラント治療における3Dプリンターの活用例として正確・安全な外科手術を行うためのサージカルガイドや顎骨模型の作製などを例示.今後の可能性として培養硬組織を用いた理想的組織片の造形やインプラントフィクスチャーの応用への期待を述べた.
 三浦賞子氏(明海大)は「付加製造法を応用したジルコニア製補綴装置の現状と可能性」と題し,液槽重合法により作製するジルコニア補綴装置の特徴を整理.表面粗さは切削加工法によるものより小さく研磨時間短縮が期待される一方,造形方向の設定によって曲げ強さや焼結密度に影響が及ぶ点を指摘.適合性や色調再現性についてもさらなる検討が求められるとした.
 陸 誠氏(神奈川県/歯科技工士)は「歯科技工作業における3Dプリンターの活用」と題し,ラボサイドでの注意・工夫点として,同じデジタルデータからの造形でも機種によって再現精度が異なるとしてZ軸の積層ピッチや解像度,造形スピードなどのスペックを確認することや,インクへの影響を踏まえたプリンター設置環境の構築などを紹介した.

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