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モリタ友の会 クリニカルチャー講演会 「口腔機能に問題があります!~その指導のあの手・この手・奥の手~」開催される

 11月28日(日),講師に土岐志麻氏(青森県・とき歯科)を迎え,標記オンラインセミナーが開催された(講演後再配信期間:12/6~1/10).

 コロナ禍でマスク生活が始まり,歯科受診控えも増えた現在,子ども達の口腔内にはむし歯の発生や悪化,お口ぽかん(口唇閉鎖不全),構音障害などさまざまな変化が起こっており,他者と話をしたり,食事を共にする機会の減少など,口腔機能が育つための環境が悪化しているという.これら「口腔機能発達不全症」に対し,歯科診療室でどのように診断し,指導を実施するか,実例をもとに具体的に解説された.


 お口ぽかん(口唇閉鎖不全)については,日本人の子どもの30%にみられるといった調査報告があり,近年子ども達に多くみられる過蓋咬合については,口蓋の深さと関係があり,さらに,口蓋が深い子どもと食べ方に問題を感じている子どもには相関関係があることを示す調査報告などが紹介された.


 望ましくない口腔機能については,安静時や嚥下時の舌位,乳児嚥下の残存,日頃の習癖等に原因があることが多いことから,それらに気づくためのポイントや,正しい舌の位置,嚥下時に舌が触れる位置などをスティックを用いて実際にトレーニングする方法,問題となっている口腔機能を改善するためのガムを用いた機能訓練(ガムトレーニング)などが解説され,訓練により歯列形態や咬合が整っていった事例も提示された.


 そのほか,「口腔機能発達不全症 チェックリスト(日本歯科医学会)」に基づき,各診断におけるポイントが具体的に提示され,歯科は歯という硬組織だけでなく,軟組織(小帯,舌,筋肉)や口腔機能(食べる,飲む,話す)まで診ることが求められていることが示された.

《講演に関する参考資料》
●日本歯科医学会.口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方▶ https://www.jads.jp/basic/pdf/document-200401-3.pdf

●全国小児歯科開業医会.はっけいよいアニマル体操▶ http://www.jspp.net/34_movie.html

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