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第1回口腔心身リエゾン談話会 開催される
 11月28日(日),標記会がZoomにて開催された.
 発起人である尾口仁志氏の開会の辞の後,玉置勝司氏(神歯大)により会の趣旨が説明された.心身相関のみられる口腔の疾患に対し,歯科単独での対応には限界があり,多職種のチームによるリエゾン(これからは連携から協働へ)が必要となる.その構築のための談話会として,本会が開催されることとなった.
 最初に水野泰行氏(関西医大,心療内科医)が「心療内科医が患者を診るとき考えていること」と題し,心身医学・心身症・心療内科の解説とともに,心身症が「軽い精神疾患」という誤解や「心因性」は心理的な面が要因ではなく原因であると患者に誤解を与えるため使用しないなど,具体的な注意点も呈示された.さらに歯科口腔領域における症状・疾患の特徴を述べ,とりあえず削ってしまう,やむをえず抜歯してしまうことの問題点も指摘した.
 次に安保寛明氏(山形県立保健医療大,公認心理師・精神保健福祉士・看護師・保健師)が「コンコーダンスモデルを用いた健康行動への動機づけ」と題し,救急医療から使われるようになった「コンプライアンス」やHIV重症化予防で一般化された「アドヒアランス」が医療の現場で一般的であったが,さらに患者と医療者の共同意志決定である「コンコーダンス」という考え方を紹介.一部のガイドラインや看護師教育課程でも取り入れられてきている状況を解説した.
 最後に和気裕之氏(みどり小児歯科)が「歯科心身症を再考する-歯科心身症の概念の検討-」と題し,歯科心身症の用語・概念の統一がなされていない現状を解説.さまざまな定義で考えられている歯科心身症を整理し,「歯科心身症の概念(2021)」の試案を呈示.特に心理-社会的要因の強い症例は存在しており,多職種との協働も含めた対処法を知っておくことが必要であると述べた.

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