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第6 回補綴歯科臨床研鑽会 プロソʼ21 開催される
 2021 年11 月14 日(日)(オンデマンド配信は11 月15 日(月)~11 月21 日(日)),標記大会が「The 咬合再構成」をテーマに行われた(大会長;大久保力廣氏.鶴見大).
 シンポジウムⅠ「咬合再構成―新進気鋭の若手会員によるエビデンスと臨床例の提示」(座長;山下秀一郎氏.東歯大,荻野洋一郎氏.九大)では,3名の演者が登壇した.「咬合平面・咬合高径の決定のためのエビデンスを俯瞰する~臨床への適用と限界~」の演題で講演した和田 淳一郎氏(医科歯科大)は,実際の症例から,咬合平面や咬合高径を是正するかどうかの線引きについて,エビデンスに照らしながら検討した.田坂彰規氏(東歯大)は,「CAD/CAM 技術で製作したダブルクラウンによる咬合再構成」の演題で登壇し,補綴治療による咬合高径の回復を試みる際にCAD/CAMを使用した症例を紹介した.「CMS を考慮した低位咬合の咬合再構成」の演題で講演した篠宮摩弥子氏(東京都)は,これまでも複数回の補綴治療を施した症例を紹介し,骨格的不正咬合を考慮して顎位や咬合平面の計画を立案する際のポイントを話した.
 シンポジウムⅡ「インプラントと咬合再構成」(座長;疋田一洋氏.北海道医療大,樋口大輔氏(松本歯科大)では,2名の演者が登壇した.武田孝之氏(東歯大)は,「インプラントを適用した咬合再構成症例の経過から考える」との演題で登壇し,欠損補綴における長期経過症例を紹介し,さまざまな要因によって維持できる治療結果に限界はあるものの,経過観察が重要であることを強調した.講演「重度歯周炎患者に対するインプラント補綴」では岩田光弘氏(岡山県)が患者にとってメリットの多いインプラント補綴であるが,特に重度歯周炎患者においてはインプラント周囲炎の発症を高めるリスクがある点などを紹介し,長期的な安定を得るために必要なことを論じた.
 シンポジウムⅢ「顎関節とフルマウスリコンストラクション・インプラントによる無歯顎補綴治療」(座長;秋葉陽介氏.新潟大,猪越正直氏.医科歯科大)では,2名の演者が登壇した.杉田龍士郎氏(千葉県)は「Fundamentals of Full Arch Implant Rehabilitation」の演題で登壇し,無歯顎者に対して行われるフルアーチのインプラント補綴において,術中や術後において注意すべきことを説明した.「顎関節や筋障害患者におけるフルマウスリコンストラクション」のタイトルで講演した荒井良明氏(新潟大)では,フルマウスリコンストラクションにおける最初の段階である咬頭嵌合位となる下顎位について,障害度ごとにどう対応すべきかを論じた.
 シンポジウムⅣ「咬合崩壊への対応と予知性の高い咬合再構成と良好な予後獲得へ向けた計画と実践」(座長;河相安彦氏.日大松戸,田中譲治氏.千葉県)では,2名の演者が登壇した.谷田部 優氏(東京都)は,「可撤性義歯を用いた臼歯部咬合崩壊への対応を考える」の演題で,欠損補綴における欠損の捉え方について,その治療方針の組み立て方や患者説明などを含めて論じた.講演「咬合再構成を極める 歯列不正,歯周疾患,多数歯欠損を読み解く」では,上田秀朗氏(福岡県)が,患者にとって良好な口腔内環境を維持するために,歯列不正,歯周病,多数歯欠損という3つの病態とそれぞれにおける治療の肝要な部分を解説した.

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