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第80回日本矯正歯科学会・第5回国際会議 開催される
 2021年11月3日(水・祝)~5日(金),パシフィコ横浜において,標記大会が「望まれる矯正歯科の未来」をテーマに開催された(大会長;槇 宏太郎.昭和大).
 生涯研修セミナー「ゲノム医療は矯正歯科治療にどのように貢献することができるのか?」(座長;佐藤和朗氏.岩手医科大学附属病院,上岡 寛氏.岡大)では,2名の演者が登壇した.「顎顔面形成不全患者を伴う希少疾患における矯正歯科治療の役割」の演題で登壇した黒坂 寛氏(阪大)は,希少疾患や未診断症例において顎顔面形成不全を伴う例が多くある点を指摘し,疾患モデルを用いた病態解明研究などの結果を示した.「矯正歯科臨床に役立つゲノム情報とは? その情報を役立てるための冒険」の演題で講演した山口徹太郎氏(神歯大)は,ゲノム情報とヒト疾患の関連性などを指摘したうえで,矯正歯科臨床におけるゲノム研究を紹介した.
 サテライトセミナーⅠ「矯正歯科に求めること~学際領域から~」では,矯正歯科治療と連携の機会が多い耳鼻咽喉科,歯科口腔外科,形成外科から3名が登壇した.「小児の鼻呼吸障害はどこまで治せる?」で登壇した黄川田 徹氏(東京都)は,従来の鼻腔構造を破壊する手術ではなく機能と形態を保持した手術方法において,小児の鼻呼吸障害をどれほど改善させられるかを検討した.講演「顎変形症患者のクオリティ・オブ・ライフの向上を目指して」で登壇した小林正治氏(新潟大)は,主に外科的矯正治療を行った患者のQOLについて口腔関連QOL尺度であるOHIP-J54を用いた検討を行い,術後に改善傾向にあるとしつつも,機能面においては術後の咀嚼機能訓練なども必要であることを指摘した.「クライアントに悦ばれる顔貌形態改善を目指したFace-firstアプローチによる外科的矯正」で登壇した渡辺頼勝氏(東京警察病院)は,矯正専門医と連携し,顔貌の整容や咬合機能・形態の早期獲得を優先した外科主導型の手術先行アプローチを行っていることを明かし,実際の症例について解説した.
第80回記念シンポジウムより

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