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日本臨床歯科補綴学会 30周年記念学術大会 開催される
 7月18日(日)~8月18日(水),標記大会が「歯科界のレジェンドから学ぶ―近未来の歯科医療に輝きを―」をテーマにWEB開催された(理事長:浅野栄一朗氏).
 特別講演1では,「私たちの臨床を振り返って―歯周治療と補綴治療の融合―」と題し,小野善弘氏(JIADS主宰),中村公雄氏(同前)がそれぞれ前半部分と後半部分に分かれて登壇した.1987年に共同開業して以来,互いの専門領域を生かして患者に歯科医療を提供してきた両者が,臨床の長期的成功を獲得するために必要なポイントについて学術論文や症例を交えて解説した.殊にペリオの患者の大部分が将来的に補綴装置を装着することを念頭に,永続性と予知性の高い治療を行うためには術者が何をすべきかが検討された.
 特別講演2では,「最新の審美・インプラント治療―審美と機能の調和を目指して―」と題し,山﨑長郎氏(日本臨床歯科学会理事長)が登壇した.講演の前半部分においてはマテリアルの変遷や咬合高径(VDO)のコントロールについて,後半部分においては補綴医として外科医や矯正医とどのように治療のイメージを共有すべきかについて実践例に基づいて紹介した.
 特別講演3では,「超高齢時代の歯科医療―顎口腔系の長期的保全のために―」と題し,小出 馨氏(日本歯科大学新潟生命歯学部教授)が登壇した.氏は日本において100歳以上の人口が8万人に上る点,30年後には55万人になると予想されている点を示し,国民の健康長寿を支える歯科医療は歯列と咬合の再建と保全を担う責務があることを強調した.顎口腔系の長期的保全のために,咬合が及ぼす影響の大きさ,体位や頭位が下顎位と咬合に及ぼす影響,さまざまな病態の顆頭運動経路と特徴などを含む8つのトピックについて解説した.
 最後は宮本績輔氏(日本臨床歯科補綴学会副理事長)を司会として,特別講演1~3に登壇した4名の演者による座談会が行われた.座談会の前半部分においては,それぞれの演者の発表について印象に残った部分が話し合われ,後半部分においては,フリーディスカッションの形式で,話題はスタディグループの成長に際して苦労した点や今後の歯科医療関係者へ伝えたいことなど,多岐にわたった.特に歯科医療におけるデジタル化の流れについては,便利であるとしつつも,顎機能を知らずにデジタルだけが発達することへの懸念が示されるなど,闊達な議論が行われた.

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