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第4回歯周基本治療研究会開催される
 8月1日(日),第4回歯周基本治療研究会がLive配信セミナーとして開催され,橋本貞充氏(東歯),若林健史氏(東京都),熊谷靖司氏(東京都)が講演を行った.
 午前,橋本氏が「今さら聞けない歯周組織-みかたを変えれば臨床が変わる-」をテーマに講演.歯周病原菌の感染から組織を守るには歯槽骨縁上組織付着が重要であるとし,歯肉溝をクリーンに保つ歯肉溝滲出液の働き,上皮性付着や結合組織性付着の仕組み,構造を病理学的な視点から紐解いた.慢性歯周炎の病理像から,歯石の周りに存在するバイオフィルム,ポケット上皮の炎症状態,毛細血管の拡張などの所見を供覧し,炎症を取り除くには歯石を取り除くことが不可欠であるとしたほか,臨床的に健康にみえる歯周組織であっても,炎症を繰り返している場合,病理学的には歯肉の線維化,長い結合組織性付着,正角化上皮,歯槽骨縁の低下などが観察され,完全に元に戻ることは難しいと指摘するなど,歯周組織の疾患や加齢による変化を詳説した.
登壇する橋本氏(右端)
 午後,「歯周基本治療を始めてみよう!-初診からカウンセリングまで-」と題した講演に,若林氏と熊谷氏が登壇した.若林氏は,歯周治療において初診時の問診と検査,カウンセリングがその後の治療結果をも左右する最も大切な過程であると訴え,診療場面の動画を提示しながら,それらの基本的な方法を解説.オープンクエスチョンや症状等をオウム返しで確認するなどの問診時のテクニックや,患者に実際のさまざま症例を見せながら疾患・治療についての説明を行うカウンセリング上の工夫などを動画で供覧し,歯科医療従事者と患者が信頼関係を築くためのポイントを示した.続く熊谷氏は,カウンセリングにフォーカスし,医院での取り組みを紹介.歯周基本治療終了時までにホームケアを定着させることが最重要課題であるし,カウンセリングにおいても歯周基本治療に向けて患者のやる気に火をつけることが大切と強調.行動変容を促すための話の展開や患者に伝えるべきポイントを整理し解説した.

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