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第62回日本歯科医療管理学会総会・学術大会開催される
 7月16日(金)~7月31日(土),徳島大学大学院医歯薬学研究部総合診療歯科学分野が主幹で,標記学会総会・学術大会(大会長:河野文昭氏/徳島大学大学院)が,「温故知新:未来へ引き継ぐ歯科治療-安心・安全・信頼の継承-」をテーマにWebにて開催された.
 歯科医師・歯科衛生士を信頼し,安心してかかることのできる歯科医院が,私たち国民の身近に存在することが求められる.全国に歯科医院の件数はコンビニエンスストアよりも多いと揶揄されるものの,都会と地方の地域格差が大きく,地域の歯科医療をどのように守っていくかが重要な課題となっている.そこで,本学術大会のシンポジウム(座長:蓮井義則氏)では,【100年続く歯科医院・医療継承成功へのロードマップ】をテーマに,織田英正氏(織田歯科医院/高知市),金子良司氏(金子歯科医院/盛岡市),荒谷恭史氏(荒谷歯科医院/広島氏),柏井 壽氏(柏井歯科/京都市)の歯科医院の継承がスムーズに行えた4件の歯科医院の先生が登壇.自身の体験を赤裸々に語っていただき,そのうえで,医院継承の難しさ,課題の解決方法,地域の歯科医療を守っていく秘訣などをWeb参加者とともに討議した.
 特別講演では,「AIが導く次世代の医療」と題し,廣瀬 隼氏(徳島大学大学院医歯薬学研究部医療情報学分野)が登壇し,第3次ブームを迎えている人工知能(AI)の現状と課題について概説.医療健康分野においては,画像解析を中心に放射線画像や内視鏡画像から診断補助を行うソフトが開発され,すでに診療現場で利用されている.しかし,医療情報を取得しても,実際には検体検査値の単位や基準値が医療機関ごとで異なり,カルテは多くが自由記載であるため,データとして単純に統合し解析できない実情がある.情報システムのセキュリティを低下させることなく,個人情報保護法や医学系倫理指針などに従った運用が可能なシステムを構築することで,医療の地域格差問題も解決できると提言した.
 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,安全安心な歯科医療の提供を原点に戻って考えるとともに,未来へ継承していくために,今何をすべきか,何が必要なのか,全国各地に所属している学会員がWebというメリットをいかし,自分たちの使命をあらためて見直す時間となった有意義な学術大会だったのではないだろうか.次回第63回総会・学術大会は,2022年6月17日(金)~19日(日),盛岡にて開催予定(大会長:岸 光男氏).

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