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北九州歯学研究会オンライン発表会 開催される
 2021年2月14日(日),標記発表会が「コロナに負けるな!」と題して行われ,登録者数1,000人を超えるウェビナーとして開催された.(大会長:上田秀朗氏(北九州市))
 開会の辞では,上田氏が,タイトルにもなっている新型コロナウイルス感染症の状況や大会前日に東北地方を中心に発生した大規模地震に触れ,そうした厳しい局面において歯科医療がもつ意味について訴えかけた.
  「歯髄保存成功のキーポイント」で登壇した津覇雄三氏(福岡県)は,Cariologyの考え方に基づき再石灰化を意識した元歯髄保存について言及し,実際の症例をもとに検討した.
  「破折ファイル除去~感染源があるなら取るしかない!~」との演題で発表した青木隆宜氏(福岡県)は,破折除去をおこなうか否かの判断要因の一つとして感染の程度などをあげ,リスクと効果の比較衡量について話した.
 講演「マイクロスコープを用いたⅡ級コンポジットレジン修復~究極の適合を目指して~」を行った樋口 惣氏(福岡県)は,Ⅱ級窩洞に対してセパレーターやストリップスを用いて,稠度の異なるフロアジブルレジン表面張力を使って充填する手法を紹介した.
 「コンポジットレジン修復を応用した前歯部補綴治療への取り組み」で登壇した松木良介氏(福岡県)は,難易度の高いとされる上顎中切歯一歯の補綴治療について,実際の症例を提示しながら口腔内で形態を整えていく際の注意点などについて論じた.
 「支台歯形成~どう削る? どこから削る? どこを観る?~」との演題で発表した山本真道氏(福岡県)は,デジタルデンティストリー全盛の時代だからこそ,アナログの基本手技を見直すことが上達のためになると強調し,支台歯形成において臨床で意識していることを発表した.
 「咬合再構成への挑戦~咬合再構成への現在の取り組み~」を発表した松延允資氏(福岡県)は,咬合再構成を伴う全顎治療について,高い精度の補綴物が必要となるなど歯科技工士や歯科衛生士とのチーム医療になる点に着眼し,そこに比重を置いた治療の在り方を解説した.
 「歯周外科~骨縁下欠損へのアプローチ~」で登壇した瀬戸泰介氏(福岡県)は,最先端のマテリアルを使うことによって格段に進んだ歯周外科治療についても,基本歯周治療など術前の病態把握が治療効果を生むと強調し,実際の歯周外科治療を行った臨床について検討した.
 講演「エビデンス・ベースト・マイクロサージェリー~専門医の視点から考える~」では,芳賀 剛氏(福岡県)が,骨縁下欠損に対して再生療法を行った症例を紹介し,文献に基づくエビデンスベースで対応した例として報告した.
 「健康を取り戻す全部床義歯治療~義歯が身体に及ぼす影響を考察する~」で登壇した力丸哲哉氏(福岡県)は,超高齢化社会を迎えた日本において,口腔内のフレイルの進行を遅らせることが過度に進んだ加齢減少に歯止めをかけるとし,上下無歯顎の患者に丁寧な治療ステップの確認をしながら全部床義歯を新製した例を紹介した.
 「総義歯って何故難しい」との演題で登壇した樋口克彦氏(福岡県)は,総義歯の不安定さに着目し,総義歯を初めて装着する患者の立場になって考えたときにどのような治療の在り方が望ましいのかについて語った.
 「ブラッシングを容易にする口腔内環境の改善~歯肉退縮の患者さん,どう対応する?~」と題して発表した白土 徹氏(福岡県)は,歯周環境を包括的に整備することが治療効果を生むと強調し,矯正治療と歯周形成外科処置後に修復治療を行った症例について検討した.
 「デジタル修復治療の精度を高めるための工夫」との演題で登壇した筒井祐介氏(福岡県)は,実際にCAD/CAMシステムを使用して修復治療を行ううえで,とりわけ口腔内スキャナーを用いた治療について言及した.

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