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第18回歯内療法症例検討会 開催される
 2月14日(日),標記会がオンラインにて開催された.
 午前のセミナーでは,本会代表の吉岡隆知氏(吉岡デンタルオフィス)の開会の辞の後,今回は「根管充填」をテーマに6題の講演が行われた.吉岡俊彦氏(吉岡デンタルキュア)は「シーラーの役割・選択」と題し,症例・論文をもとにシーラーの意義を考察,現在使用されている材料について成功率等を解説した.八幡祥生氏(東北大)は「側方加圧充填 マスターポイントの選択」と題し,学生実習などの実際を踏まえて,マスターポイントの選択法や側方加圧充填の注意点などを紹介した.橋本健太郎氏(医科歯科大)は「CWCT法」と題し,側方加圧充填では難しい樋状根や内部吸収歯などに対応できるCWCT法の解説を行った.山内隆守氏(山内歯科医院)は「MTAの根管充填−ニエットキャリアの使い方−」と題し,MTA充填の解説の後,MTAの問題点である操作性に関してMTAキャリアの使用法を紹介した.辺見浩一氏(恵比寿ヘンミデンタルオフィス)は「シングルポイント根充」と題し,バイオセラミックシーラーによるシーラー依存型充填を解説した.戸部拓馬氏は「根管充填の位置〜歯冠側の終了位置について〜」と題し,補綴のための支台築造や逆根管治療に備えた充填を意識し,根管口直下で切断し,髄床底や分岐部を埋めないようにすることを述べた.
 午後の症例検討会では,三好俊太郎氏(三軒茶屋マルオ歯科)の「左側上顎第一大臼歯の近心頬側根の処置に苦慮した1症例」,岩谷光晴氏(都賀デンタルクリニック)の「待機的診断の後に患歯を特定した1症例」,品川淳一氏(上野品川歯科・矯正歯科)の「根管充填時のバイオセラミック材料の根尖孔外への溢出についての検討」,依田慶太氏(杏雲ビル歯科)の「根尖性歯周炎に対し,感染根管治療と歯冠長延長術を併用した1症例」,藤野拓郎氏(ヒロ横浜デンタル)の「下顎左側第一大臼歯の痛みの改善に苦慮した1症例」,八尾香奈子氏(フリーランス)の「根尖病変による知覚異常を疑った症例」,須藤享氏(南光台歯科)の「外傷歯の歯根吸収の最発」の7題の発表が行われた.
 特別講演は桑田啓貴氏(昭和大)による「口腔の健康状態と生活習慣病や全身疾患との関連」であり,コッホの原則に基づいた齲蝕・歯周病の原因菌の探索から,歯周病はマイクロバイオームが崩れてディスバイオーシスの状態となりキーストン細菌がきっかけをつくるという最近の研究動向を紹介.口腔の細菌叢でのディスバイオーシスが全身疾患に与える影響を解説し,健康な口腔常在細菌叢を誘導するという今後の見通しを提示した.その後,前もって出されていた歯内治療のQ&Aに関し,微生物学の立場から解説を行った.

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