2021/01/22
1月22日(金),標記スタディグループ(代表:中尾 祐氏・福岡県)によるウェビナーが戸原 玄氏(医科歯科大)を講師に招いて開催された.
戸原氏は「摂食嚥下障害の評価と訓練の実際」と題し,冒頭,訪問診療において歯科医師は歯科の主治医としてのみ関わるのではなく,多職種が連携するなかでの一医療職種として関わることの重要性を指摘.また歯科の専門家として嚥下機能を検査し,嚥下訓練に携わるだけでなく,患者や介護者の社会生活の可能性を拓くことも必要だとして,自身の取り組みの一端を供覧した.
続いて,摂食嚥下機能の評価にかかわる諸項目として高齢者の筋肉量や舌圧,開口量,舌骨の位置などの性差や年齢との関係,経口摂取回復が介護者心理にもたらす効果の質的研究などについての研究結果や咀嚼,嚥下機能回復のための訓練法を紹介.
さらにPAP(舌接触補助床)の製作法と注意点を示したほか,摂食嚥下障害の評価・訓練に遠隔医療を活かせる場面として,嚥下障害や低栄養の患者のフォローをオンラインで行える,食事場面を観察できる,遠隔教育に活用できる,などが考えられるとした.