Ishiyaku Dent Web

歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士のポータルサイト

第37回日本障害者歯科学会総会および学術大会 開催される
 2020年11月13日(金)~11月23日(月・祝)の間,標記大会が「誰も一人にさせない社会をめざして」をテーマにWEB開催された(大会長:宮城 敦氏,神歯大).
 特別講演Ⅰ「自閉症スペクトラムへの対応」と題して登壇した内山登紀夫氏(大正大)は,精神科医の立場から,社会性やコミュニケーションの問題のみならず,身体健康管理の支援が必要であることを訴え,近年の自閉症スペクトラムの児童や成人において障害者歯科を専門とする歯科医との連携について今後のあり方を話した.(座長;宮城 敦氏)
 特別講演Ⅱ「障害者歯科「草分け」の記―私がのめり込んだ理由(わけ)―」では,笠原 浩氏(松本歯科大)が,障害者福祉に関心の払われていなかった時代から現在までのおよそ半世紀を俯瞰し,「どれほど完璧な治療処置ができたとしても,患児が泣きながら帰っていくようでは『失敗』」との強い信念を持つに至った背景を説明し,処置の難しい患者であったとしても歯科医療を切実に求めている人に対しては「最高レベルの歯科医療」を施すべきだと強調した.(座長;宮城 敦氏)
 教育講演Ⅳ「筋ジストロフィーを知り,患者をささえる」では,河原仁志氏(千葉県)が登壇し,医療と福祉の両方が介入しなければならない「難病」の筋ジストロフィーについて解説し,患児・患者が在宅療法を続けていくための支援のあり方について,殊に口腔衛生に関して歯科医の助けを借りることから,その重要性を述べた.(座長;大塚義顕氏,千葉県)
 シンポジウムⅠ「障害児の口腔機能発達支援における多職種連携」には,4名の演者が登壇した.(座長;野本たかと氏(日大松戸),田村文誉氏(日歯大))
 「早産児と家族の障害感の緩和を目指してNICUで取り組んでいること」と題した講演では,豊島勝昭氏(神奈川県)が低出生体重児や先天性疾患児の割合の増加につれて「発達障害」も一定比率で発言する事実を示し,家族が感じる「障害感」を緩和するためにも歯科医療を含むチーム連携が不可欠であることを強調した.「横浜市南部地域療育センターでの摂食支援における多職種連携について(摂食外来・通園クラスでの給食支援を中心に)」では,櫛田弘美氏(神奈川県)が,横浜市南部地域療育センターが歯科医師の指導のもと取り組んでいる摂食外来の現況を説明し,摂食支援において有効だった連携の事例などをあげて解説した.遠藤眞美氏(日大松戸)による講演「地域の歯科大学付属病院だからこそできる障害児者の口腔機能発達支援における多職種連携」では,日本大学松戸歯学部障害者歯科講座が地域の施設や職員と連携し,あるいはときにWEBによる情報発信などをしていくなかで地域支援をどのように開拓していったかを紹介した.「障害者歯科センターにおける取り組み」に登壇した野村美奈氏(茨城県)は,茨城県歯科医師会口腔センター水戸が地域で担ってきた会話や摂食嚥下の支援活動を報告し,障害児の口腔機能発達を支援するために何ができるのかを提案した.

■他のニュース記事をさがす

日付から記事をさがす
<2024年3月>
252627282912
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31123456
キーワードから記事をさがす

人気の歯科書籍(キーワード別)

歯科雑誌 最新号