2020/07/23
7月22日(水),
HILIFE DENTURE ACADEMY Online Salonが主催する標記ウェビナーが「精密印象,何をどう使えばいいの?」をテーマに開催された.
冒頭,メインパーソナリティの松田謙一氏(大阪府)が,印象採得はその手法や材料について学ぶべきことの多い工程であることを指摘.
続いて金澤 学氏(医科歯科大)が「印象方法の違いは治療結果に影響を与えるの?」として全部床義歯の印象に関する国内外の無作為化比較臨床試験をレビューし,多くの研究では患者満足度に関していわゆる従来法と簡便法の間に有意差はないとされる一方,難症例に対しては軟組織の緊張や唾液量など多様な側面から検討する必要があること,難症例においては個人トレーを用いた,辺縁形成を伴う,最終印象が必要になることなどを述べた.
松丸悠一氏(フリーランス総義歯臨床専門歯科医師)は「精密印象,何をどう使えばいいの?」として,良い印象を得るためのプライオリティは義歯の形態に関する知識や適切な概形印象→トレーのデザイン→精密印象材の選択の順であること,既製トレー+アルジネート印象による手法は十分な辺縁形成が難しく術者の負担が大きくなることを適示したほか,臨床的観点から各種印象材料の特性や操作性を紹介し,フローや弾性,起こりうるエラーについて確認しておくべきとした.