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第2回 日本在宅医療連合学会大会開催-在宅歯科医療における新型コロナウイルス感染対策のための提言が検討される
 6/27(土),28(日)において,第2回 日本在宅医療連合学会大会が開催された(大会長・三浦久幸氏/国立長寿医療研究センター).本来は愛知県の名古屋国際会議場で開催予定であったが,新型コロナウイルス感染症の拡大のため,zoomを用いてのwebでの開催となった.2日間で37のシンポジウム,5つの教育講演,5つの新型コロナウイルス感染特別企画などが催された.

本学会のロゴ(事務局提供)
 歯科に関係のあるセッションとしては,シンポジウム「在宅療養における『食』を守る~オーラルフレイルの視点から」として,オーラルフレイルを念頭においた在宅療養のあり方が検討された.本セッションでは,まず座長でもある飯島勝矢氏(東京大)による「国家戦略としてのオーラルフレイル予防」の演題で, 2020年春から始まった「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」としての「フレイル健診」を含めて,フレイル対策,オーラルフレイル対策の現状と,国家プロジェクトとしての位置づけについて解説された.
 続く古屋純一氏(昭和大)の「在宅と外来で対応する高齢者のオーラルフレイル」では歯科医師としての立場から高齢者の口腔機能を管理する視点について解説,多職種と合わせてオーラルフレイルに立ち向かう方法を考察した.続いて,椙村豊彦氏(愛知県歯科医師会)は「地域住民の口腔機能健診調査2年目の評価」と題して,厚生労働省老人保健増進等事業で行った地域住民への口腔機能検診の結果を報告.オーラルフレイル対策の要のひとつである口腔機能の向上の成果と課題を考察した.
 そのほか,言語聴覚士の小島香氏(浜松医大,こじまデンタルクリニック)による,歯科診療所に勤務する言語聴覚士の活動報告や,早田雅美氏(NPO法人ハート・リンク運動)による,認知症の家族の介護当事者からの口腔機能維持の大切さが説かれるなど,幅広い内容に基づいたオーラルフレイル対策の方向性が示された.
 新型コロナウイルス感染症対策特別企画としては「在宅歯科医療における新型コロナウイルス感染対策のための提言作成に向けて」と題したセッションが企画された.本企画では,川越 正平氏(あおぞら診療所),猪原 健氏(猪原歯科・リハビリテーション科)の座長のもと,高田 靖氏(日本在宅医療連合学会,豊島区歯科医師会),篠原弓月氏(全国在宅療養支援歯科診療所連絡会,口腔栄養サポートチーム レインボー),田村文誉氏(日本障害者歯科学会,日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック),管 武雄(日本老年歯科医学会,鶴見大学高齢者歯科学)がそれぞれの学会,所属の立場から,新型コロナウイルス感染症拡大時期(2020年2月~6月)における在宅歯科医療の状況や実際の対応例について報告.指定発言者の日本歯科師会・小玉 剛氏とも合わせて,在宅歯科医療における感染対策の提言作成のための嚆矢の機会となった.
 第3回の日本在宅医療連合学会大会は2021年11月に東京で開催予定.

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