2020/06/17
6月17日(水),
HILIFE DENTURE ACADEMY Online Salonが主催する標記ウェビナーが「【部分欠損】左右すれ違い症例をどう考える?」をテーマに開催された.
冒頭,メインパーソナリティの松田謙一氏(大阪府)が左右すれ違い症例においては残存歯に対向する顎堤の異常吸収や残存歯の挺出,咬合高径や咬合平面の設定が困難などといった多くの問題点が存在することを指摘.
続いて和田淳一郎氏(医科歯科大)が,左右すれ違い症例の難易度を判断するポイントについて考察.残存歯に対向する顎堤の状態を判断し,臼歯部ディスクレパンシー(欠損の対向歯と欠損部顎堤の不調和)への対応の有無や,咬合平面の乱れに対し咬合挙上を行ってまで修正する必要があるかどうかを見極めるのが肝要と述べた.
荻野洋一郎氏(九大)は,加圧条件と受圧条件の関係がアンバランスとなり義歯装着後に機能させることが難しい左右すれ違い症例への臨床的な対応として,① 十分な支持域・適合性や義歯の剛性確保,インプラントの応用などにより受圧条件を改善する工夫,② 咬合接触や排列位置に配慮して義歯に加わる力や動きをコントロールする,③ 残存歯を根面板とするオーバーデンチャーなどにより加圧条件を弱くする工夫,の三点を挙げた.