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終末歯列の診断と治療 開催される
 5月21日(木),Lone Stars Dental Instituteによるプロジェクトの一環としてWeb会議サービスのZoomを活用した標記ウェビナーが無料開催され,約1,000名の歯科医療従事者が視聴した.
 冒頭,杉田龍士郎氏(テキサス大)が本ウェビナーの趣旨として「コロナウイルス感染症の拡大によってセミナーなどが次々中止になるなかで,歯科医療従事者の学びの火を絶やさぬため」に企画したことを説明した後,「終末歯列の診断と治療」と題して講演.単一あるいは複数の疾病(う蝕,歯周病,トゥースウェア;“歯耗”,欠損歯列)の結果として残存歯の状態や予後が著しく悪化した状態と米国で捉えられているTerminal Dentitionに終末歯列との訳語を当てたうえで,一歯単位の予後判定に基づく保存的アプローチだけでは咬合支持喪失の流れを止められないケースもあり,歯列・患者単位の予後判定に基づく補綴主導型の治療計画立案が求められるとした.
 続いて平塚智裕氏(東京都)が同題にて講演.インプラント補綴によって咬合支持を回復し約20年の長期予後を得られている症例を供覧し,インプラント治療の長期性のためには生体の変化に順応でき,万が一のトラブルに際しても治療介入が容易となるようなインプラントの構造や設計(フィクスチャーや表面性状,アバットメントの種類など),フレームワークや咬合面の材質選択をしておくことが肝要と指摘した.
 最後に松丸悠一氏(フリーランス総義歯臨床専門歯科医師)が「総義歯によるマネジメントのコツ」と題し,終末歯列症例に対し無歯顎化のうえ総義歯による治療介入を行う際の要点を,症例を通じて解説.装着時の違和感がなく,よく噛めて維持力の得られる義歯製作のために,下顎では必要な支持域を過不足なくおさえるような義歯の外形を設計すること,上顎では辺縁を長くし過ぎると脱離しやすくなるため印象採得時に辺縁部に対し不必要に圧力をかけないことなどを述べた.

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