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PHIJ アップデートミーティング2020 開催される
 2月22日(土),23日(日)の両日,国立京都国際会館(京都市左京区)にてPHIJ(Perio Health Institute Japan)の主催する標記会が「さあ,予防に目覚めよう」をテーマに開催された.
▲会場風景
▲宮本氏
▲築山氏
 宮本貴成氏(アメリカ.PHIJファウンダー),Eric Todd Scheyer氏(アメリカ.PHIJファウンダー),築山鉄平氏(福岡県.PHIJディレクター),高屋 翔氏(京都府.本会実行委員長)らによるオープニングにて「予防歯科医療を実践するプロフェッショナルコミュニティとしてのつながりを深め,予防歯科医療と社会をつなぐ窓口となることを目指す」との本会の趣旨が説明された後,セッション0として岸本隆明氏(大分県)が「歯周炎を介した様々なUpdateの価値」と題して登壇.膨大な医学情報をアップデートするためには,信頼できる情報を取捨選択し批判的/客観的評価を通じて臨床の疑問を文献的に解決するエビデンスベースドデンティストリーの実践と知識と技術の不断のフィードバックを続ける必要があるとしたほか,歯周炎は患者のQOLを減少させる主要な全身疾患とリスクを共有していることを示し,全身疾患を介した医科歯科連携において歯科医療が創造できる価値について考察した.
▲岸本氏
 セッション1-1では薄井由枝氏(九看大)が「Social Responsibility as Dental hygienists」と題し,歯科衛生士の社会的責任は“生涯を通じていきいきした歯と口を衛るために科学的な追及を続けること”とし,その臨床的なアプローチとして第一大臼歯・歯周組織・口腔内外の軟組織・口腔を通じた患者の日常の健康を衛ることの重要性を症例から示した.
 セッション1-2ではBecki Cole氏(アメリカ)が患者の治療に対するモチベーションを高めコンプライアンスを形成するためには「Reminder」「Routine」「Riward」のアプローチを通じてモチベーション維持を習慣化する必要があるとし,3カ月ごとのメインテナンス時の口腔内状況に応じてAIアルゴリズムが個々の患者にカスタマイズメッセージを送信することで行動変容を促すアプリ開発に着手していると述べた.
▲Becki氏と薄井氏
 Dr. & 学生向けランチョンセミナーでは宮本氏が画一性,均一性を求める歯学のキャリブレーション教育の問題点を明らかにし,歯科医師が治療およびビジネスモデルの面で既成概念から解放されコモディティプラクティスから脱却することが求められると訴え,現状を打破する教育の枠組みを構築し日本発で海外に発信することをPHIJの2030年のグローバルビジョンとして掲げた.
▲Dr. & 学生向けランチョンセミナー会場風景
 セッション2-2では「Episode Basede Dentistry」と題し,メンバーの仲川隆之氏(長野県),築山雄次氏(福岡県),新田成人氏(神奈川県),福田幹久氏(北海道),和久田一成氏(静岡県)らがチームマネジメントや医院経営,仕事観などについて,各自の経験したエピソードをもとに考察した.
▲セッション2-2会場風景
 セッション3「自分の資質や強みをフォーカスしたチームビルディング」では古谷博子氏(フラリシュ・コンサルティング株式会社/ギャラップ株式会社シニアコンサルタント)が,チーム個々人の才能(自然に繰り返される思考・行動・感情のパターン)を高めて各自が備える資質に応じた強みとし,それをチームで尊重し必要とし合うことで目標や成果を達成できるとし,そのストレングス・ファインダーのアプローチを歯科医院に取り入れた実例を示した.
 特別講演では武内和久氏(ONE・福岡株式会社/厚生労働省 元 福祉人材確保対策室長)が「予防歯科医療が日本の医療のパラダイムを変える」と題し,社会保障費の膨張を背景に医療政策の課題設定が従来のトラブルシューティング型医療を前提としたものから病になる前に健康を作る“投資型医療”に基づくものへ変わったことを説明.そこに予防歯科医療の価値を認知させるためには,医療制度に対する予防歯科医療の位置づけに関する議論,ストーリーと訴求方法を工夫したメディア発信,民間と協働しながら個々の歯科医院が地域や企業において予防歯科医療を実践するパイロットケースの構築が求められるとした.
 セッション4「予防と歯科医療と社会がどうつながっていくか」では,赤司征大氏(WHITE CROSS株式会社)が冒頭,国の社会的背景が医療制度を左右すること,国民皆保険制度に組み込まれている以上,国家と国民の価値に立脚しなければ日本の歯科医療に面としての成長は見込めないことを指摘した後,ヘルスケアとの親和性が高い歯科医療が患者の“生きる力を支える代表”として政策提言や情報発信を行うとともに,“医療介護の中の歯科医療”へと変革することで日本歯科医療の社会的価値を高めることができるとした.続いて赤司氏をモデレーターとして栗林研治氏(千葉県),佐々木成高氏(愛知県),武内氏,築山鉄平氏らが登壇し,予防歯科のこれからの姿やそこにおける歯科医師,歯科衛生士の役割と社会的地位,価値について議論が展開された.
▲左から竹内氏,築山氏,栗林氏,佐々木氏,赤司氏
 次回アップデートミーティングは2021年2月20日(土),21日(日)に福岡市にて開催される予定である.

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