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第24回 米国歯科大学院同窓会(JSAPD)公開セミナー開催される
 2020年1月13日(日),虎ノ門ヒルズ(東京都港区)にて,第24回米国歯科大学院同窓会(JSAPD)公開セミナーが開催された(大会長:岡村光信氏/福岡県・岡村歯科医院,インディアナ大).

 午前の部のテーマは『Session 1 ミニマムインターベーションの是非を問う』.
 最初に登壇した横田 要氏(大阪府開業,ペンシルバニア大)は,「歯内療法におけるMIとは」と題し登壇.エンド領域で近年話題となっているNinja Accsess(最小のアクセスホールで実施する根管治療)の治療成績について,文献考察からも従来法を上回るとはいえないとし,歯質の保存は重要だが,肝心のインフェクションコントロールや根尖性歯周炎の治療をおろそかにすべきではないと警鐘を鳴らした.
 山中拓人氏(東京都,ニューヨーク大)は,MIの観点から「インプラント埋入時期の是非について考える」をテーマに登壇.インプラントのClassificationにおける即時埋入,待時埋入,遅延埋入については,抜歯部位や抜歯窩の唇側骨の厚み,軟組織の状況などを考慮し,MIを優先できるケースか否かも考慮のうえ,術式を選択する必要があるとした.
 穂積英治氏(愛知県開業,ボストン大)は,「Minimally Invasive Prosthodontics -MIな補綴とは-」をテーマに,補綴材料としてのジルコニアの特性,前歯部に対する補綴オプションとしての接着性ブリッジ,ポーセレンラミネートベニヤの適応症について解説.ジルコニア材により補綴治療におけるMI(最小限の歯質切削量)が実現しつつあること,それには接着性レジンセメント,補綴設計,表面処理が結果を左右すること等を示した.
午前の部の演者.左から,穂積氏,山中氏,横田氏
 午後の部のテーマは『Session 2 歯周病と全身疾患 ~エビデンスに基づくコンセンサス~』.
 まず築山鉄平氏(福岡県開業,タフツ大)が午後の部の総説として,「社会を変える歯科医療のヒントがここに!」と題し登壇.これからの歯科にはリスクを加味した立体的なアセスメントプランが重要であるとし,バーチャルトリートメントプランを導入した自院システムを紹介しながら,2017年に発表された歯周病の新分類,歯周病と慢性疾患(がん,心疾患,脳血管疾患,糖尿病)との関係等について概説した.
 冨岡栄二氏(東京都開業,イエテボリ大)は「歯周治療と糖尿病 -知っておきたい最新エビデンス」をテーマに登壇.歯周治療による糖尿病治療への影響については,研究サンプルにばらつきがあり,一般論化するのは難しいことを念頭に置いたうえで,歯周治療により,服薬治療と同等の効果が得られるとした報告もあることから,勧められる,とまとめた.また,血糖コントロールがなされた患者であれば,一般的な外科処置については健常者の治療に準じることで問題がないと考えられることを示した.
 林 千絵氏(東京都,ハーバード大)は,「歯周病と動脈硬化」と題し,アテローム性動脈硬化症の動態を解説.研究論文ではまだ有意差は出ていないが,自身の研究における実感としてはアテローム性の動脈硬化と歯周病の関連性を明らかに感じるとし,心疾患患者に対する,既往歴,服用薬の確認,全身疾患を考慮した歯周治療のタイミング,内科医との連携が重要であるとまとめた.
 辻 翔太氏(大阪府開業,コロンビア大)は,「その他の疾患と歯周疾患との関連性,および日常臨床で心がけるべきこと」をテーマに登壇.感染と炎症という二つの経路において,歯周病と「肥満・メタボリックシンドローム」「関節リウマチ」「肺炎,COPD」「骨粗鬆症」「NASH」「乾癬」「慢性腎臓病」「アルツハイマー病」「うつ」「がん」との関連性・対応策について,それぞれ現時点までに出されている疫学調査結果等を含めて解説した.
午後の部の演者.左から,辻氏,林氏,富岡氏,築山氏
 午前・午後の各部の最後には質疑応答の時間が設けられ,演者と参加者との間で活発な議論がなされた.
 次回は,2021年1月に開催される予定である.
質疑応答の様子

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