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第10回日本歯科衛生教育学会学術大会 開催される
 12月7日(土),8日(日),福岡県歯科医師会館(福岡市中央区)にて「地域に根ざす歯科衛生士教育」をテーマに標記大会が開催された(大会長:堀部晴美・福岡医療短期大学).
会場の様子
 教育講演Ⅰ「納得される口腔機能管理の基礎は口腔周囲の解剖・生理である」では,升井一朗氏(福岡医療短期大学)が登壇.摂食嚥下から表情づくりまでさまざまな機能を担う口腔を“マルチタレント”と表現し,サルコペニアやフレイルの基礎知識から解剖学的な知識までをわかりやすく解説した.またオーラルフレイルを防ぎ健康長寿を延ばすために,歯科衛生士が口腔機能管理の一環として,先に紹介した一連の知識を活かして保健指導を行うことの重要性を述べた.
講演する升井氏
 教育講演Ⅱ「生活を支える歯科医療 ―地域包括ケアにおける歯科衛生士の役割―」では,森田浩光氏(福岡歯科大学)が急性期から終末期における口腔衛生管理を実際の取り組みとともに紹介.病期はもちろん,現場や協働する職種によっても歯科に求められる役割も変わってくることを示し,そのベースとして「教育現場において,口腔のみならず全身の状態も把握したうえで個別の口腔衛生管理ができる歯科衛生士の育成が必要である」と強調した.
講演する森田氏
 記念講演「―10 周年に寄せて― 歯科衛生学体系を考える」では松田裕子氏(鶴見大学)が登壇し,歯科衛生士の役割が近年急速に多様化するなか,「歯科衛生学」の明確な体系化が必要であることを示した.また,歯科衛生士養成教育の在り方や歯科衛生士業務,関連法律の変遷を振り返り,歯科衛生士のさらなる地位向上に向けて,コアカリキュラムや国家試験の出題基準などに関し教育界をはじめ行政や関連業界にさまざまな提言をした.
講演する松田氏
 シンポジウム「総合病院で果たす歯科衛生士の役割 ─周術期における歯科衛生士の介入─」では中村真理氏(北九州市立医療センター),縄田和歌子氏(福岡歯科大学医科歯科総合病院),原口公子氏(糸島歯科医師会口腔保健センター),重冨照子氏(福岡県歯科衛生士会)が登壇した.
 はじめに中村氏が「総合病院で果たす歯科衛生士の役割」と題し,地域医療支援病院で歯科口腔ケア外来の開設に携わった立場から,周術期口腔機能管理における病院歯科衛生士の役割と取り組みを,実際の症例とともに紹介した.続いて縄田氏が「訪問歯科チームにおける歯科衛生士の役割」と題し,訪問歯科センターと急性期病院との連携の成果を示しながら,今後は慢性期のみならず急性期における歯科衛生士の介入も増えていくこと,それにあたり必要な教育について述べた.
 「地域で果たす歯科衛生士の役割」では原口氏が登壇.特に地域包括ケアシステムの構築に関わる立場から,入院患者・要介護者への保健指導や多職種連携における歯科衛生士の役割などを紹介した.最後に重冨氏が「災害支援で果たす歯科衛生士の役割」と題し,九州北部豪雨における災害支援活動を中心に,災害時に歯科衛生士が求められる役割について紹介.学生のうちから適切な災害支援について学ぶことの重要性を強調した.

 講演後に行われたディスカッションでは,特に今後教育現場に何が必要かを問う質問が相次ぎ,シンポジストからは現場では即戦力が求められること,また今後ますます他職種,他機関との連携が必須になることから,全身疾患や薬剤,また介護・福祉の知識に関する教育も必要であると示された.

ディスカッションの様子.右から重冨氏,原口氏,縄田氏,中村氏
 次回大会は2020年12月19日(土),20日(日)にタワーホール船堀(東京都江戸川区)で開催予定.

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