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第12回 STEP Annual Meeting with R and PABC 開催される
 11月17日(日),標記発表会が福岡ファッションビルFFBホール(福岡県博多区)で開催された.STEPは田中秀樹氏が立ち上げたスタディグループで,昨年の第11回発表会より,それまで発表者として参加してきたR(主宰:徳永哲彦氏),PABC(主宰:安東俊夫氏)との共催で行われている.
 「One STEP Ahead~一歩先へ~」をテーマに掲げた今回の発表会では,6題の会員発表,衛生士招待講演,および特別講演が行われた.
 会員発表①(座長:堤春比古氏)では,まず,2年連続トップバッターを務める葉山揚介氏(STEP所属)が「接着技法を見直そう」と題して発表.健全歯質の保存に努めるうえでの自身の取り組みと接着技法成功の秘訣について解説した.続いて,馬場 聡氏と吉村聡美氏(R2所属)が「当院における乳幼児の口腔機能発達不全症への取り組み」,林下富貴氏と田渕富久子氏(PABC2所属)が「インプラント術後の口腔内環境の安定,継続に医院全体で取り組む」のタイトルで,歯科医師・歯科衛生士それぞれの立場から医院としての創意工夫を凝らした取り組みを発表した.
 次に,衛生士招待講演として秋永 恵氏が登壇.「歯科衛生士だからこそ伝えたい.健やかに美しくある為の生き方,暮し方のコツ~ホリスティック思想のすすめ~」と題し,歯科衛生士として患者の人生に寄り添い,医療介入に責任をもつために,知識・技術と心の研鑚が必要であることを説いた.また,そのために感性を磨くことの重要性を強調した.
 昼休みを挟んで行われた会員発表②(座長:荒木秀文氏)では,田代 剛氏(STEP所属)が「デジタルデンティストリーへの一歩を踏み出そう」,安河内康史氏(PABC1所属)が「臨床が楽しくなる矯正治療」,山尾康暢氏(R2所属)が「顎関節と口腔周囲筋を考慮した全顎治療」のタイトルで発表を行った.山尾氏の発表は,顎関節症を有する患者に対して顎位を模索しながら矯正治療と補綴治療により咬合再構成を行ったもので,着実な考察に基づいて展開した症例を供覧した.
 会の最後は,「Welcome to Occlusion based Practice ~咬合を診る臨床への一歩~」と題して,徳永氏による特別講演が行われた.徳永氏は,不正咬合の主原因はポステリアディスクレパンシーと唇・舌などの機能不全であることを解説したうえで,適切なガイドを決定するために何を観察してどのように診断していくかについて,自身の考えを述べた.
 今回の発表会の内容は多岐に渡ったが,すべての発表に通底していたのは「気づく力」「見る力」「感じる力」の重要性であった.テーマとして掲げた「一歩先」の臨床に向けて,それぞれの取り組みを共有することで,会としてますますレベルアップしていくことを感じさせる発表会であった.

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