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第6回日本サルコペニア・フレイル学会学術大会 開催される
 11月9(土)・10(日),朱鷺メッセ(新潟市)において,第6回日本サルコペニア・フレイル学会学術大会が開催された.大会長は遠藤直人氏(新潟大・整形外科).およそ800人の参加者を集めた.
 歯科に関するセッションとして,特別講演『摂食嚥下障害とフレイル』の演題で,井上誠氏(新潟大)が講演した.井上氏は摂食嚥下障害とその治療についての流れを概説し,高齢者においてはなによりも肺炎の予防が大切であると強調.そのための口腔ケアや歯科治療の重要性を示した.また,高齢者のなかには「飲み込みは悪いが咀嚼ができる人がいる」として,咀嚼能力か嚥下能力のどちらか一方が下がるともう片方もそれに応じて程度がさげられてしまう現状の嚥下調整食などでは対応できない人がいると指摘.要介護者の食支援については,「噛んで食べられる人については咀嚼をしてもらえるよう,食についての認知機能から確認する必要がある」とした.
 続くシンポジウム『食を支えるためのオーラルフレイル対策 ─エビデンスから地域展開へ─』では平野浩彦氏(東京都健康長寿医療センター)の座長のもと,3名の演者からオーラルフレイルについてのさまざまな対応策が示された.
 田中友規氏(東京大)は『オーラルフレイルの疫学』として,フレイルやオーラルフレイルとなる要因について解説.口腔機能が保たれていることの重要さを指摘した.続く本川佳子氏(東京都健康長寿医療センター研究所)は『口腔機能低下・オーラルフレイルの視点を持った高齢期の栄養ケアの必要性』において,オーラルフレイルに対しては適切な栄養ケアが必要であるが,よりよいケアのためには歯科とのコラボレーションが重要であると指摘した.最後の演者,松尾浩一郎氏(藤田医科大)は『高齢者の “口の機能低下” と “食べる機能の障害”への対応』の演題で,オーラルフレイルや口腔機能低下症対策としての咀嚼の重要性を示した.さらには,自身が手がける「かみごたえのある弁当」を用いた地域における研究の概要とその経過を説明した.
シンポジウム後の討論の様子
 次回,第7回大会は2020年11月14日(土),15日(日)に,きゅりあん(東京都品川区)において開催予定.大会長は平野浩彦氏.

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