2019/08/06
8月4日(日),梅田スカイビル ステラホール(大阪市北区)にて標記講演会が「人生100年時代の総義歯臨床 ブラッシュアップ!総義歯臨床」をテーマに開催された.
松丸悠一氏(フリーランス総義歯治療専門歯科医師)は「日常臨床における印象採得のブラッシュアップ」と題し,無歯顎口腔内における臨床的ランドマークを把握するための視診と床下組織のコンディションを確認するための触診のポイント,概形印象におけるトレー試適時に満たすべき要件と印象材の選択基準,概形印象における良否の判断基準とシリンジテクニック,閉口印象による精密印象採得について解説した.
吉松繁人氏(福岡県)は「総義歯成功のロードマップ」と題し,高齢患者の増加と少子化等に伴う就業歯科技工士,歯科衛生士の減少傾向を踏まえると,歯科医師としてはトラブルの少ないメインテナンスと簡便な補綴処置を行う必要があると指摘.そのうえで総義歯臨床成功のポイントに言及したほか,骨格的不正咬合を伴う無歯顎症例への対応法として,セファログラムを用いたZACラインとCPCラインの分析を人工歯排列時の歯軸・咬合平面・前歯部被蓋量・調節湾曲の設定に生かすアプローチを紹介した.