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日本歯科色彩学会 第27回学術大会 開催される
 2019年7月28日(日),ウェスタ川越(埼玉県川越市)にて標記学術大会が開催された.大会長は阪 秀樹氏(埼玉歯科技工士専門学校).「色彩」という切り口のもと,保存・補綴歯科学分野における材料の色調に関する研究から,工学的・心理学的な視点からの講演まで,幅広いテーマの演題が設けられた.

特別講演「モノリシックジルコニアの活用と色調再現」 白石大典氏(湘南セラミック)

 はじめにガラスセラミックスやレイヤリング法と比較したモノリシックジルコニアの優位性を紹介したうえで,モノリシックジルコニアの2つの彩色方法(ステイン材を使用したグレーズ法と浸透カラーリング法)について,それぞれの利点・欠点や適応部位の違いを症例を交えながら解説した.また,研磨の手順から接着性向上のためのプラズマ処理まで,モノリシックジルコニアの臨床応用のポイントを供覧した.
白石大典氏
講習会1「モノの見えに影響を与える照明と現在の主流光源LEDの基礎」 岩井 彌氏(パナソニック ライフソリューションズ社)
 
 近年急速に普及しているLED光源について,はじめにその発光原理を紹介したうえで,「LEDは短波長光が多いため目に悪い」という俗説を検証.同じ光束で蛍光ランプ光と比較したデータをもとに,LEDは実際には蛍光ランプ光よりも網膜障害性が低いことを示した.また,白熱電球,蛍光ランプ,LEDの3種の光源を使用したデモを行い,光温度などの条件を変えることでモノの見え方がどのように変化するかを実演した.
岩井 彌氏によるデモの様子
講習会2「安全につながる色使い -多様な色覚特性の理解とその対応-」 名取和幸氏(一般財団法人 日本色彩研究所)

 遺伝などによる色覚異常をもつ人や,加齢により色覚特性が変化した高齢者について,どのような色が区別しづらいのかを紹介.施設の案内板や地図上の色分け表示など,実際の「問題事例」を示しながら,何が問題なのか,どうすれば改善できるのかを解説した.また,多様な色覚特性への配慮が必要な事例として医療現場における例も紹介し,適切な色使いに改めることで安全性を高めることができると指摘した.
名取和幸氏
 上記講演のほか,ポスター発表(5題)も行われ,いずれも参加者の高い関心を集めていた.
ポスター発表の様子

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