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第32回日本顎関節学会学術大会 開催される
 7月27日(土),28日(日)の2日間,学術総合センター一橋講堂(東京都千代田区)にて標記大会が「回顧と前進」をテーマに開催された(大会長:近藤壽郎氏・日大松戸).なお,本会は第6回アジア顎関節学会と共催であった(大会長:村上賢一郎・赤穂市民病院).
 1日目のイブニングセミナー「矯正歯科治療における下顎頭吸収を考える」では,最初に山田一尋氏(松歯大)が「矯正歯科臨床における下顎頭吸収の特徴」と題し,成長期などに生じる下顎頭吸収の特徴を整理した.次に田中栄二氏(徳島大)が「矯正歯科臨床における下顎頭吸収の診断と治療方針立案」と題し,発症関連因子・危険因子と想定されるものを踏まえた診断と治療方針の見通しを示した.谷本幸太郎氏(広大)は「下顎頭吸収を有する不正咬合症例に対する歯科矯正学的対応」と題し,広大病院における進行性下顎頭吸収への対応や,メカニカルストレスによる分子メカニズムの基礎的研究を紹介した.最後に石井武展氏(東歯大)は「下顎頭吸収における性ホルモンとメカニカルストレスの相互作用を検討する」と題し,メカニカルストレスや性ホルモンをめぐる基礎研究を紹介し,水道橋病院における下顎頭吸収症例への対応と分析を解説した(座長:山田氏,田中氏).
 2日目の平成30年覚道健治賞(学術奨励賞最優秀賞)受賞講演は,高嶋真樹子氏(新潟大)「顎関節症長期病悩患者におけるエゴグラムチェックリストを活用した自我状態の検討」であり,心身医学の交流分析の解説の後,48の質問リストにより作成されたエゴグラムで患者の精神的因子を分析・検討の結果を紹介した(座長:佐々木啓一氏・東北大).
 日本顎関節学会・日本口腔顔面痛学会共催シンポジウム「顎関節領域に生じた慢性疼痛をどう鑑別するか?」では,最初に佐藤 仁氏(昭和大)が「顎関節症の痛みの慢性化-中枢性感作を生じたら?-」と題し,self-limitingではない顎関節症症例における中枢性感作の解説と薬物療法などの紹介を行った.次に野間 昇氏(日大)が「顎関節領域に生じる三叉神経ニューロパチー-びりびりとした発作痛や持続痛をどうするか-」では,慢性痛としての三叉神経ニューロパチーの分類の紹介から顎関節領域に生じた症例を紹介した.大久保昌和氏(日大松戸)は「顎関節症と鑑別が必要な頭痛-下顔面に痛み生じる頭痛-」と題し,頭痛をめぐる歴史から現在の分類を紹介,特に片頭痛と三叉神経・自律神経性頭痛を解説した.最後に坂本英治氏(九大)は「顎顔面部に慢性疼痛を呈する心理社会的因子~顎関節症の痛みは顎関節の疾患か?~」と題し,「歯をくいしばる」背景となる不快感情などの心身因子の分析を行った(座長:小見山 道氏・日大松戸,村岡 渡氏・川崎市立井田病院).
 シンポジウム3「開業医のための顎関節症治療-アップデート講座-」では,最初に佐藤文明氏(東京都)が「鑑別診断からみた顎関節症」として症状別の除外診断について具体的に解説した.次に渋谷寿久氏(神奈川県)が「医療面接から考える病態診断と2軸診断」と題し,医療面接の目的,質問法,意義などをまとめた.依田哲也氏(医科歯科大)は「病態別の基本的な治療法」として,学会の指針を基本に保険治療も考慮した対応を紹介した.塚原宏泰氏(東京都)は「開業医のための治療の勘所」として,治りやすい顎関節症と治りづらい顎関節症という視点を提示した.島田 淳氏(東京都)は「難症例への対応と病診連携」として,M-W分類をもとにした難症例のみきわめ方を紹介し,プライマリケア医の重要性を指摘した.最後に久保田英朗氏(福岡県)が「エンドポイントの考え方」として,主訴に対する治療を行い,改善後はセルフケアの重要性を説明する必要を述べた(座長:和気裕之氏・神奈川県,塚原氏).

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