2019/07/23
7月21日(日),東京歯科大学水道橋校舎新館(東京都千代田区)にて,標記セミナーが「『ハンドスケーラーVS超音波スケーラー』~『最良』の歯周基本治療!!」をテーマに開催され,牧野 明氏(富山県開業),大野純一氏(群馬県開業)が登壇した.
牧野氏は「歯周基本治療でほとんどの歯周病は治る」と述べ,自院で実践している歯周基本治療について詳説.前述のセミナーテーマに関して,超音波スケーラーを有効に活用することに言及した上で,症例を供覧しながらハンドスケーラーによるルートプレーニングの有用性を示した.ルートプレーニングを成功に導くためのポイントとして「よく切れるスケーラーを用いる」「刃先が根面から浮かない」「開始時期に注意する」の3点を挙げるとともに,ポケットの深さにかかわらず麻酔をせず1歯1回でルートプレーニングを行うことを目標にしているとした.
続く大野氏は,文献ベースで超音波スケーラーの特徴と有用性を解説し,超音波スケーラーを効果的に使用するために「除去する対象物を明確にする」「歯肉縁下においてはチップの適合が全て」「素早く,シャカシャカ動かす」の3つのルールを提示.また,ハンドスケーラー(SRP)と超音波スケーラー(デブライドメント)のどちらが正しいというのはなく,あるのは「適切なインスツルメンテーションかどうか」であると強調し,臨床結果から術式を継続するか,術式を変えるかを判断する「Do more・Do different」の考え方を提唱した.