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第60回日本歯科医療管理学会総会・学術大会開催される
 7月13日(土)~7月15日(月・祝),日本大学歯学部本館創設百周年記念講堂(東京都千代田区)にて,標記学会総会・学術大会(大会長:尾﨑哲則氏/日本大学歯学部)が,「新しい時代への歯科医療管理~“いま改めて”安心安全信頼の地域と繋がる歯科医療」をテーマに開催された.
 シンポジウム1「歯科医院運営に役立つこれからの歯科診療報酬制度のあり方を考える~令和2年診療報酬改定に向けて考えておくこと~」(座長:小塩 裕氏)では,3名が登壇.
 髙橋義一氏(日本歯科医療管理学会医療保険検討委員会委員長)は「歯科疾患の重症化予防と継続管理」と題し,う蝕や歯周疾患など治療を終えると,疾病,病名がなくなることにより継続管理が終了するため,ハイリスク者を対象に重症化予防のための継続管理料の導入を提言.小野清一郎氏(日本歯科医療管理学会医療保険検討委員会/日本歯科医師会社会保険委員会委員)は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(「か強診」)の真髄」と題し,令和2年3月末日までは,平成28年度の旧施設基準を満たした医療機関と平成30年度の新施設基準を満たした医療機関の2種類の「か強診」が混在している状況を説明.上條英之氏(東京歯科大学)は「今後の診療報酬改定と医科歯科連携等について」と題し,今後の歯科診療報酬上の論点「成人に対するう蝕,歯周病,破折による抜歯等の減少への取り組み」「成人の歯周病の重症化予防」「根面う蝕の対策」「高齢者等に対する口腔機能管理の推進」「歯科医療機関への通院困難者への取り組み」を挙げるとともに,健康保険法改正について概説した.
左から上條英之氏,小野清一郎氏,髙橋義一氏
 シンポジウム2では,「地域医療の今後のあり方~さまざまな事例から考える~」(座長:平田創一郎氏,武井典子氏)をテーマに歯科医師1名と歯科衛生士2名が登壇.
 冨田明子氏(臼杵市医師会立コスモス病院看護部療養支援室)が「地域包括ケアの実現に向けて~地域住民が「かかりつけ歯科医」をもつための多職種での取り組み~」と題し,“うすき石仏ねっと”のメール機能を用いた,入院前から入院中,退院後まで切れ目のないアプローチが実現可能となったかかりつけ歯科医による医科歯科連携システムを紹介.澄川裕之氏(島根県歯科医師会医療管理部委員会常任委員)は「今,これからの高齢者歯科医療を考える!~島根県の事例から~」と題し,地域全体が保育園の園庭及び住民全員が保育士という住民自治がソーシャルフレイルの予防につながっているという中山間地域(高齢化率60%)での取り組みを紹介.丸岡三紗氏(まんのう国民健康保険造田歯科診療所)は「高齢化率45.8%のまちを守れ!~県内一のへき地で民営化した歯科診療所の挑戦~」と題し,民間のお弁当屋さんまでをも巻き込んだ香川県まんのう町琴南地区の在宅医療介護の連絡会の取り組みを紹介.地域包括ケアシステムの実現には,専門職は背中を後押しする存在となり,“異業職連携”が重要であるとの言葉が印象深かった.
左から丸岡三紗氏,澄川裕之氏,冨田明子氏
 特別講演1では,「歯科診療で役立つ!ウイルス性肝炎の必須知識~日本歯科医療管理学会会員の実態調査で見えてきた現状と課題~」(座長:尾﨑哲則氏)をテーマに,長尾由実子氏(順天堂大学医学部)が登壇し,肝炎ウイルスが口腔粘膜に病変を引き起こすメカニズムを解説.また,患者さんの唾液や血液と接することが多い歯科医療にもかかわらず,2017年に行った本学会会員を対象に行ったアンケート調査の結果(器材の滅菌率やスタンダードプレコーションの認識度等)で気にすべき項目があったことを報告し,すべての患者さんに安心・安全な歯科医療を提供するためにリスク管理と認識を改めて考える必要があると提言した.
長尾由実子氏
長尾氏の好評著書『専門医から伝えたい歯科医院に知ってほしい肝疾患のこと』
 特別講演2では,「歯科で行われている再生医療の現状とその問題点」(座長:柴垣博一氏)をテーマに,飛田護邦氏(順天堂大学核心的医療技術開発研究センター)が登壇.歯科分野が1/2該当するという再生医療等の臨床研究及び自由診療については,再生医療等安全性確保法の遵守することが求められているが,臨床研究法の施行を受けたことによる整合性を図るために両者の施行規則の一部を改正する省令の施行について報告し,歯科再生医療の現状と課題を考察した.
 今後の歯科医療管理学としての大きな課題は,安全安心信頼の医療と地域との連携であり,それを実現することを理念に掲げていた前理事長・故白土清司氏の意志を継ぎ,また,これまでの歴史を糧としながら,新たにスタートを切った還暦という節目にふさわしい充実した3日間となった.次回,第61回総会・学術大会は,2020年6月12日(金)~14日(日),奈良にて開催予定(大会長:玉川裕夫氏).
60周年記念式典にて本学会の60年の歴史を語る髙津茂樹氏
本学会大会長兼理事長の尾﨑哲則氏
ポスター会場の様子

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