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2019年臨床歯科を語る会 開催される
 7月5日(金)~7日(日),クロス・ウェーブ府中(東京都府中市)にて,2019年臨床歯科を語る会が200名の参加者のもと開催された(実行委員長:筒井純也氏/東京都).

 6日(土)は,小野恒佑氏(熊本県),高野遼平氏(新潟県),石塚良介氏(北海道),中舘正芳氏(静岡県)の4名による新人発表が行われ,いずれも丁寧な治療と経過に対する真摯な考察を展開した.
 続いて行われた全体会では,「スタディー・グループから学ぶ」と題し,黒田昌彦氏(東京都)が登壇.氏の臨床医人生は常にスタディー・グループ活動とともにあったことが改めて印象づけられる2時間強の講演であった.当初は,自身の行った治療の妥当性と治療後の経過への不安から参加したスタディー・グループであったが,治療の効果と患者満足の実態を検証するための活動へとその位置づけが変化し,「自家歯牙移植の生存率調査」「インプラント対合歯・隣接歯の予後調査」「メインテナンスの有無による喪失歯数調査」などスタディー・グループでの疫学調査へとその活動が進化してきた経緯を余すところなく紹介.スタディー・グループ活動を経て得られた結論として,「歯を守ることが治療効果」であり,「継続来院が患者満足の指標」となることを強調した.
 午後は,4題のポスター発表に続き,3つの分科会が開催された.「重度歯周病症例における機能回復」「患者の加齢変化にどう向き合うか」「経過良好症例・トラブル症例から見えること」はいずれも臨床的かつ現代的なテーマが取り上げられ,発表者・参加者を交えた活発なディスカッションが展開された.「患者の加齢変化~」では,通院できなることを見据えた対応を行うべきターニングポイントをめぐり,多くの参加者から実体験が報告紹介され,最後まで口から食べることを実現するために診療所通院時から取り組まなければいけないことが共有された.
 初日,2日目ともに開催された「夜の部屋」では,「若手症例相談」(講師:松井宏榮氏/神奈川県),「オクルージョン道場」(講師:永田省藏氏/熊本県),「コーヌステレスコープ義歯―各製作法の利点・欠点」などの多彩なプログラムが用意され,深夜まで尽きることのない議論が展開された.
 7日(日)の全体会「力をどう読み,どう対応するのか」は,昨年の同テーマでの全体会の続編となり,「加圧への対応」「受圧への対応」「インプラントの功罪」の3つの側面からディスカッションを深めた.須貝昭弘氏(神奈川県),押見一氏(東京都),新井俊樹氏(東京都),松田光正氏(熊本県),設楽幸治氏(東京都),松井宏榮氏(神奈川県)が登壇し,加圧対策としてはセルフコントロールのみが治療となるという現実,噛める補綴には当然のように代償が存在すること,インプラントを用いる際には慎重な判断が求められること,等が整理された.

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