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第30回日本医学会総会2019中部開催される
 4月27日(土)~4月29日(月・祝),名古屋国際会議場,名古屋学院大学白鳥学舎,ウインクあいちの3会場にて,標記学会総会(大会長:齋藤英彦氏/名古屋大学名誉教授)が,「医学と医療の深化と広がり~健康長寿社会の実現をめざして~」をテーマに開催された.
 本学会は132の分科会を擁する日本医学会が日本医師会と協力して,4年に1度開催するわが国最大の学会である.明治35年から開催され,120周年を迎え,初めて歯科のセッションが創設され,名目ともに記念すべき大会となった.歯科のセッション創設には,内堀典保氏(愛知県歯科医師会会長)が中心となり,多くの愛知県歯科医師会会員の尽力のもとに実現に至った.本大会のプログラムは,「柱1:医学と医療の新展開」,「柱2:社会とともに生きる医療」,「柱3:医療人の教育と生き方」,「柱4:グローバル化する日本の医療」の4つの柱が掲げられ,プログラム構成されている.同時開催の日本内科学会総会(ポートメッセなごや)とともに,約30,000人の医療関係者が一同に会し,連日熱い議論と情報交換がなされた.
 特別講演では,「健康長寿の延伸に向けて~口腔の健康と全身の健康~」(堀 憲郎氏/日本歯科医師会会長)と「ウエルネス8020~フレイル・ロコモ・認知症対策~」(内堀典保氏/愛知県歯科医師会会長)の2名による2本立ての予定だったが,当日,停電のため上越新幹線が運転取り止めとなり,堀氏が名古屋入りできずに,急遽,内堀氏が一人で60分間を講演することに.口腔機能低下症予防やオーラルフレイル予防に介入することで,フレイルやロコモティブシンドローム,認知症の予防に有効であり,う蝕の治療や補綴が中心だった歯科医療が,今後は予防を中心に展開すべきであると,歯科医療の転換期であることを熱弁した.
内堀典保氏
 柱1:医学と医療の新展開 喫緊の医療課題「糖尿病と歯周病の相互関係」では,4名が登壇.松原達昭氏(愛知学院大学歯学部内科学講座)は「動脈硬化と炎症~危険因子である糖尿病と歯周病~」をテーマに,歯周病が動脈硬化に与える影響を科学的に解説.天野敦雄氏(大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座)は「感染症・歯周病の病院論」をテーマに歯周病原菌が変化するマイクロバイアルシフトについてイラストで解説.三谷章雄氏(愛知学院大学歯学部歯周病学講座)は「糖尿病慢性合併症の歯周病の治療が血糖コントロールに与える効果」をテーマに歯周病原菌が引き起こす具体的な症状と,糖尿病をはじめとする全身疾患の関連性について,歯科関係者以外にも理解できるように解説.西田 亙氏(にしだわたる糖尿病内科)は「世界中で湧き起こる糖尿病領域の医科歯科連携への期待」をテーマにEuroPerio9において発表された19年ぶりの新しい歯周病分類に取り上げられた「HbA1cと高感度CPR」の意味と平成30年度の新診療報酬「診療情報連携共有料」の活用方法を臨床医の立場から解説.基礎から臨床にわたるプログラムに,聴講者は歯科関係者だけではなく,内科医も多く参加し,質疑もなされていた.
左から西田 亙氏,三谷章雄氏,天野敦雄氏,松原達昭氏
 市民公開講座「いよいよ東京五輪!健康増進のためのスポーツ医歯学」では,安井利一氏(明海大学長/日本スポーツ歯科医学会理事長)が登壇.市民はあまり馴染みのないオリンピックと医学・歯学の密接な関わりあいについて,熱心に耳を傾けていた.14の市民公開講座は連日開催され,大型連休にもかかわらず,どの講座も市民で埋まり,愛知県民の健康への関心度の高さが窺われた.
市民公開講座の様子
 開会講演・記念講演・閉会講演では,天野 浩氏(名古屋大学),本庶 佑氏(京都大学高等研究院),山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所)のノーベル賞受賞者3名による講演,90以上のプログラムセッション,さらに産業医生涯研修のための80以上のセッションという華やかなプロフラム構成の本大会は,健康長寿社会をどのように実現していくのか課題は多いものの,平成から令和に向けて,医科歯科連携の明るい未来がみえるような大会となった.
 次回,第31回日本医学会総会は2023年,東京(東京国際フォーラム)にて開催予定.
書籍展示・販売の様子(ポートメッセなごや)
書籍展示・販売の様子(名古屋国際会議場)

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