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口腔機能低下・摂食嚥下と栄養管理に関するセミナー 開催される
 3月17日(日),東京慈恵会医科大学(東京都港区)において,表記のセミナーが開催された.本セミナーはPatient Doctors Network(PDN,理事長・鈴木裕氏/国際医療福祉大学)が主催し,日本老年歯科医学会などが後援したもので,口腔機能低下症や摂食嚥下についてのテーマで,医科・歯科合わせて250名の参加者を集めた.
 午前中のセミナーは,PDN理事長である鈴木裕氏(国際医療福祉大)が「超高齢化-何が代わらなければならないのか」とする挨拶から始まり,鈴木氏は「超高齢社会では,摂食嚥下や食べることに関して問題を抱える高齢者が非常に多くなり,糖尿病や認知症にならぶcommon diseaseとも言える状況になると考えている.そうした患者には総合内科や歯科が問題を見つけ,対応していく知識や能力が必要になる」と,今回のセミナーの意義を説明.
 続いて,櫻井薫氏(東歯大)が「これからの社会に求められる口腔機能や栄養管理も行う歯科医療」として,診療報酬にも収載された口腔機能低下症を中心に,これからの歯科が関わるべき口腔機能への対応などを解説した.櫻井氏の概説を受けて,上田貴之氏(東歯大)は「口腔機能低下症の診断」として,口腔機能低下症の各項目の解説や検査のコツ,診療の流れなどを示した.続く松尾浩一郎氏(藤田医科大)は「口腔機能低下症と低栄養の関係」の演題で,フレイル・サルコペニアといった最近のトピックと口腔機能低下症,オーラルフレイルがどのように結び付くのか,口腔機能低下症に歯科が対応することにより,全身にはどのような効果が上がるのか,様々なエビデンスを元に解説をした.
講演をする松尾氏
 午後には,福島亮治氏(帝京大)の「栄養障害の診断と治療」,丸山道生氏(田無病院)による「経腸栄養剤の種類と特徴」,鷲澤尚宏氏(東邦大学医療センター)氏が「経腸栄養の適応と合併症」として,主に病院で用いられる栄養療法や栄養摂取法の基本について解説.それぞれ,口腔の状態やオーラルフレイルに結び付くポイントなども示された.
会場の様子
 セミナーの最後には菊谷武氏(日歯大)による「地域で食べるを支える」の講演があり,菊谷氏は自身の取り組みのなかで,地域在住の高齢患者をいかにして誤嚥や窒息から守るか,経口摂取を維持できるか,その考え方や方向性を示した.
演者の菊谷氏
 セミナー後には「嚥下内視鏡検査の実際」として,嚥下内視鏡の使い方の実習が催され,参加者は模型を用いて盛んに練習を行っていた.

次回の同セミナーは2019年10月20日に開催予定.
嚥下内視鏡検査実習の様子

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