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第43回北九州歯学研究会発表会 開催される
 2019年2月24日(日),JR九州ホール(福岡市)において,表記の発表会が開催された.大会長は立和名靖彦氏(北九州市)で,今回のテーマは「挑戦~先人から学び挑戦し続けるもの~」であった.
開会の辞を述べる立和名靖彦会長
 まず,個人発表1として,樋口琢善氏(飯塚市)が「再生療法への挑戦」,中島稔博氏(北九州市)が「日常臨床における矯正治療の応用を考える」をそれぞれ発表.樋口氏は,特に全顎的な症例において,歯周治療における外科的技術の習得の重要性を強調し,歯周組織再生療法を成功させるための方法について考察した.中島氏は矯正治療の役割を「総合的治療の中の1つ」と示したうえで,日常の臨床で出会う多岐にわたる症例に言及し,矯正学的なアプローチをいかにおこなうべきか問いかけた.(座長/白石和仁氏,小松智成氏)
 続く個人発表2では,山本真道氏(北九州市)が「補綴治療における精度を高めるための工夫」,筒井祐介氏(北九州市)が「当院におけるCAD/CAMの使用方法とその考察」をそれぞれ発表.山本氏は審美と長期的な安定性がますます要求される現状を示したうえで,質の高い補綴治療を提供するための支台形成,歯肉圧排,印象採得などについて言及した.筒井氏はCAD/CAMを用いての修復処置について,口腔内スキャナーと口腔外スキャナーの双方を導入した経験から,実務におけるメリットとデメリットを比較考量した.(座長/甲斐康晴氏,重田幸司郎氏)
 新人発表では芳賀 剛氏(北九州市)が「歯周形成外科への取り組み」と題して,歯肉退縮を起こした患者の主訴を解決するためにいくつかの治療方法を組み合わせて退縮原因を探ることの重要性を述べた(座長/上野道生氏).同じく瀬戸泰介氏(北九州市)は「歯槽骨の平坦化を目指して」の中で「垂直的な骨欠損を有する骨形態は水平な骨形態より病態が進行するリスクが高い」という論文に基づいて治療をおこなった実践について紹介した(座長/村上和彦氏).
 個人発表3では,白土 徹氏(直方市)が「インプラント治療後に遭遇する問題点を再考する」,田中憲一氏(田川郡)が「多数歯欠損症例における咬合再構成の留意点」,倉富 覚氏(北九州市)が「歯内療法~私の守破離~」をそれぞれ発表.白土氏は,一般に歯科治療が治療期間よりもその後のメインテナンス期間のほうが長いことを指摘したうえで,インプラント治療後十数年のなかで起きたトラブルについて文献などを交えながら考察し報告した.田中氏は,多数歯欠損から咬合崩壊へ至る危険性を示したうえで,アイヒナーの分類をもとに自身の臨床経験からさらにいくつかのケースに分けてそれぞれの治療計画と予後を紹介した.倉富氏は,歯科医療従事者が技術を習得していく過程を「守破離」になぞらえて,自身の歯内療法についてその手技や概念がどう変化していったのかを紹介した(座長/榊 恭範氏,木村英生氏).
閉会の辞を述べる上田秀朗副会長

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