2019/02/04
2月3日(日),東京国際フォーラム ホールB7(東京都千代田区)にて標記講演会が開催された.
初めに登壇した吉木雄一朗氏(愛知県)は「MIを考慮した,接着修復治療のポイント」と題し, 酸蝕症を伴う歯牙磨耗症例に対し接着技術を用いた審美修復ケースを供覧し,コンポジットレジン修復のポイントとなる歯の形態学についても解説した.
次に田中浩祐氏(東京都)が「歯内療法における疼痛管理」と題し,神経線維の反応を踏まえた歯髄診断や術後疼痛の要因について整理し,術後疼痛が長引く場合には歯原性か非歯原性かの鑑別を的確に行うことが重要と述べた.
尾野 誠氏(京都府)は「戦略的な根面被覆術~成功に導く臨床ポイント~」と題し,根面被覆術の必要性や上皮化結合組織採取時のポイントを示し,複雑な症例では被覆の目的を明確にしたうえでそれに合致する術式を選択する必要があると,臨床例を通じて語った.
最後に奥野幾久氏(大阪府)が「Update the Denture Work!」と題し,全部床義歯教育や臨床コンセプト,患者動態の変化に対応した知識のアップデートの重要性を訴えたほか,義歯臨床では再介入を含む予後の変化への対応が求められることについて認識を促した.
各講演後にはセッション全体のコーディネーターを務めた佐氏英介氏(東京都)が臨床家の視点から質疑を述べたほか,最後に会場からも活発な質疑応答がなされた.