2019/01/17
1月11日(金),アクロス福岡607会議室(福岡市中央区)にて,築山鉄平氏と木戸淳太氏(いずれも福岡県)が主宰する標記勉強会の特別講演会が,安藤昌俊氏(インディアナ大学)を講師に招いて開催された.
「齲蝕学の近年の動向―アメリカで最近話題になっていること―」と題して登壇した安藤氏は,まず基礎知識としてう蝕は多因子性・部位特異性疾患であり脱灰過程を再石灰化過程に修正できる動的プロセスのなかに常にあることを述べたうえで,う蝕発生のプロセスを説明した.
また,う蝕検出方法として従来の視診,触診に触れつつ,特に鋭利な探針を用いる触診は表層下脱灰(再石灰化した,もしくは再石灰化可能な)部位でのう窩形成を促しかねないとし,う蝕活動性の診断法として初期う蝕も指標に取り入れたICDAS(International Carries Defection and Assessment System)を紹介した.
さらに,カリエスマネジメントにおいては,不可逆的な切削を考える前に脱灰と再石灰化の均衡を保ちつつ再石灰化を促すアプローチが重要とし,唾液や栄養・食事,口腔内清掃といった項目ごとのカリエスリスクアセスメント(CRA)について文献的に考察した.