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第9回日本歯科衛生教育学会総会・学術大会 開催される
 12月1日(土)~2日(日),朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟市中央区)にて「歯科衛生士教育の質の保証を目指して―トキめいて羽ばたけ,未来の歯科衛生士―」をメインテーマに,標記学会が開催された(大会長:江川広子氏/明倫短期大学).

 教育講演Ⅰ「う蝕学教育は歯冠う蝕から根面う蝕へ」では,福島正義氏(福島県昭和村国民健康保険診療所歯科長)が登壇.はじめに歯冠う蝕と根面う蝕の診断基準と,それぞれに対する歯科衛生士の臨床業務を比較・説明した上で,高齢化に伴いターゲットが歯冠う蝕から根面う蝕へと変遷している現状を紹介.根面う蝕の診断や治療の難しさに言及しながらも,「根面う蝕予防は歯科衛生士の双肩にかかっている」と述べ,根面う蝕に関する歯科衛生士教育の重要性を訴えた.
講演する福島氏
 教育講演Ⅱでは,川村美和子氏(新潟県栄養士会 栄養ケア・ステーション)が「歯科衛生士教育のための食育」と題して登壇.乳幼児期から高齢期までのライフステージごとに必要な食育を紹介し,それぞれに歯科がどのように関わるかを考察.特に在宅高齢者の栄養状態と口腔機能の問題に焦点を当て,歯科衛生士と管理栄養士の連携が奏功した実例をあげながら,「食形態」「嚥下機能」という栄養士と歯科衛生士の各専門分野の課題をつなぐような連携が必要であると話した.
講演する川村氏
 シンポジウム「多様化する歯科衛生士教育の将来像―臨地実習の在り方―」では,コーディネーターとして中道敦子氏(九州歯科大学),シンポジストとして瀧井百合子氏(札幌医学技術福祉歯科専門学校),上浦 環氏(長野県公衆衛生専門学校),畔地美紀氏(梅花女子大学)がそれぞれ登壇し,各校の臨地実習の現状と課題を紹介した.
 瀧井氏は「本校における臨地実習の現状と課題―歯科衛生士業務の多様化に対応するために―」と題し,北海道初の3年制歯科衛生士養成校教員としての経験から,多様化した分野で今後即戦力となる歯科衛生士を育てるためには,広い視野による多職種連携教育(IPE)が必要であると述べた.
 上浦氏は「臨地実習における課題と当校の取り組み」と題し,地域的特性から生じる実習時の学生,教員の負担や,施設側の事情等による問題などをあげ,対策として作成した評価表の活用を紹介ながらも,臨地実習の在り方についてさらなる議論の必要性を強調した.
 畔地氏は「口腔保健学科開設4年目の現状と問題点」と題し,実習の指導体制と,各カリキュラムの実習内容を詳説.さらに,知識と経験を結びつける点で臨地実習と国家試験は密接につながっていることを示し,そこに携わる教員自身が幅広い教養と自らの軸となる歯科衛生士像ともつこと,そして多職種の教員が実習教育にあたることの重要性を訴えた.
(左から)瀧井氏,上浦氏,畔地氏
講演後も活発な議論が交わされた
 特別講演「暮らしと人権」では柳 義子氏(公益社団法人やどかりの里 理事)が登壇.人権に関連する昨今のさまざまなニュースや基本条約の概要を紹介し,身近な人権問題の1つとして教育現場で起こりうる「キャンパスハラスメント」について提起した.また,このような人権侵害が起こらないために必要な心構えを示したうえで,人権について日々の生活から考え,思考していくことが大切であると述べた.
講演する柳氏
2日にわたって盛況を博した会場
 次回大会は2019年12月7日(土)~8日(日),福岡県歯科医師会館(福岡市中央区)にて開催予定.

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