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第1回小児在宅歯科医療研究会 開催される
 10月21日(日),ワイム貸会議室御茶の水(東京都千代田区)において,標記の研究会が開催された.鹿児島県などの遠隔地からの参加者も含めて170名以上の聴衆を集めた(モデレーター:田村文誉氏/日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック).
 今回の研究会は「小児在宅医療の現状と未来に向けて」と題した冨田 直氏(東京都立小児総合医療センター在宅診療科,神経内科)の特別講演からスタートした.冨田氏は小児の在宅診療が提唱されるようになった転機(下記参照)を紹介しつつ,在宅医療が必要な小児の特徴や医療・ケアの方法,さらには患者本人を含めた家族支援や多職種連携の必要性などを解説.口腔ケアや摂食指導という形,さらには小児と家族を取り巻く職種の一つとして,歯科への期待を示した.

 ※小児訪問診療に関わる3つの転機
 2008年の「東京都立墨東病院妊婦死亡事件」
 2013~2014年の厚生労働省による「小児等在宅医療連携拠点事業」
 2016年の「障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」)
 続くシンポジウム「小児在宅歯科医療最前線!」では,既に小児在宅診療を行っている5人の演者から,それぞれの施設における体制から診療の実際などが紹介された.演者は以下の通り.
 飯塚 真司氏/いいづか歯科クリニック(千葉県)
 高井 理人氏/生涯医療クリニックさっぽろ(北海道)
 前田 隆洋氏/前田歯科クリニック(大分県)
 横山 雄士氏/横山歯科医院(東京都)
 和田 智仁氏/徳地歯科医院(京都府)
 それぞれの地域や歯科医院の特性が異なりながらも,日常の診療のなかで小児への訪問歯科診療にいかに携わるか,それぞれの実際やアイデアが示された.

 シンポジウムの後には指定発言として小方清和氏(東京都立小児総合医療センター)によるそれまでのまとめと,武田康男氏(新生児口腔ケア研究会代表)による訪問歯科診療を行うために理解をしておきたい「いのち」「グリーフ」「支援」についての視点が示された.
指定発言演者の武田氏
 最後に,これまで登壇した演者全員が参加するディスカッションとなり,「訪問歯科診療を行うために揃えたい機材」「依頼があってから実際に訪問するまでの期間」「病院歯科への要望」など,在宅療養中の小児に対する歯科診療に関わるさまざまな情報交換が行われた.
ディスカッションに臨むシンポジウムの各演者(左からシンポジウム講演順に飯塚氏,高井氏,前田氏,横山氏,和田氏)
左から小方氏,武田氏,冨田氏
 次回は2019年度に千葉県で開催予定.

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