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一般社団法人日本インプラント臨床研究会「第2回特別研修会(DH向け)特別講演」 開催される.
 9月30日(日),ステーションコンファレンス東京にて,一般社団法人日本インプラント臨床研究会「第2回特別研修会(DH向け)特別講演」(講師:池田雅彦氏,佐藤昌美氏/池田歯科クリニック)が開催された.
 日本口腔インプラント学会の専門医を育成し,インプラント学の発展と臨床技術の向上のために,内外の研究者や臨床家と交流をはかり,講習会を定期的に開催している当研究会(施設長:田中讓治)が,池田歯科クリニック(札幌市)の池田雅彦氏と佐藤昌美氏を講師に招き,第2回特別研修会を開催した.研修会当日は大型台風24号の接近に伴い,開催も危ぶまれたものの,当初予定より多い歯科医師・歯科衛生士(歯科医師29名,歯科衛生士52名)が参集し,台風にも負けない熱気に包まれた.
 まずは池田雅彦氏(歯科医師)が「“力”の評価とコントロール」をテーマに登壇.“力”が歯周治療や修復物,顎関節症などに影響を及ぼすことは近年,盛んに取り上げられているが,インプラントと“力”の関係については,世界的にも科学的な根拠はなく,臨床的経験に基づいた考え方が主流である.そのような状況のなか,池田歯科クリニックにおける試行錯誤の30年間の評価法や対応法の具体的な症例報告がなされた.とくに睡眠時のブラキシズムと咀嚼時の咬合力の評価法・対応法について,池田歯科クリニックに来院している患者らを対象とした臨床研究から得られた知見を報告,実践的な力のコントロールについて参加者と意見を交わした.
池田氏
 次に佐藤昌美氏(歯科衛生士)が「歯周治療におけるプラークコントロール」をテーマに登壇.天然歯とインプラントにおける歯槽骨の変化の違いについて症例を見ながら,眼で確認するとともに,インプラントに備わっていない歯根膜・セメント質を理解したうえで,プラークの侵襲を受ける周囲の角化粘膜組織に炎症が生じることを歯科衛生士の視点から解説した.さらに,インプラントはもともと体の中にない「非自己」という存在であり,防御機構が弱いため,プラークや過度な咬合力などが加わった場合,天然歯とは異なる反応を示すことがあり,インプラント周囲炎への進行が早いため,歯科衛生士は,予防はもちろんんのこと,その変化(歯とインプラント体の動揺度,上部構造の破損など)にいち早く気がつき,歯科医師に報告することが大切であることを述べた.加えて,プラークコントロールのスキル,当日はブラッシングにしぼり,動画を交えながら詳細に解説をし、「知識は臨床に繋がっている」こと,「そこから経験が生まれる」ことを強調し,もし,壁に当たってしまったら,基礎に立ち戻ることを参加者に提案した.
佐藤氏
 今回の講演会では,日々,さまざまな症例に挑んでいる歯科医師・歯科衛生士に対して「難しい症例の対応への困難性を解決するために,次の一手を考えることが大事である」という池田氏からのエールが印象的だった.また,両氏は参加者との質疑応答において歯周治療における基本治療の重要性と,”炎症”と”力”をコントロールするコンセプトを述べて講演会を締めくくった.

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