2018/10/02
10月1日（月），宮地楽器ホール（東京都小金井市）において，Tokyo Eat 第4回研修会が開催された．Tokyo Eat は東京都の多摩地区を中心として，栄養と摂食，食支援を考えるための多職種を対象とした研究会で，会長は丸山道生氏（田無病院院長）．今回の研修会では主に小児の摂食・栄養をテーマとして，田沼直之氏（東京都府中療育センター 小児科）と田村文誉氏（日歯大口腔リハビリテーション多摩クリニック）が演壇に立った．
田沼氏の演題は「障害児者の「食べる」を支える」で，まずは自身が勤務する東京都立府中療育センターと受賞心身障害児者の状況について説明．平均入所期間が33年，平均年齢が52歳の同院の患者における，加齢に伴う摂食嚥下機能の変化や，低栄養に伴うサルコペニア・フレイルサイクルが発生していることを解説した．また，出生後NICU(新生児集中治療室)管理となった小児の経管栄養管理の地域パスや摂食指導の連携・研修会についても示した．最後に，重症心身障害児者の腸内フローラについての研究も紹介，同研究を元にした今後の展望を語った．
続く田村氏は「障害児者の摂食嚥下に関する地域協働の取り組み」として，摂食嚥下への支援が必要な小児や幼児の状況を解説．文献を元にした摂食指導の具体的なプログラムについても言及．さらに，地域連携として医科－歯科間の「東京療育ネットワーク」（※1），歯科－歯科間の「たましょう歯ネット」（※2）についても紹介．最後に小児の在宅歯科診療の取り組みとして，自身の医院における現状や過去の調査を元にした潜在的なニーズなどを示した．
小児の摂食指導や在宅歯科診療について説明をする田村氏
次回のTokyo Eat 研修会は2019年の3月頃に開催予定．
※1 東京療育ネットワーク
※2 たましょう歯ネット