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ジョイント4 リレー講演会2018 開催される
 2018年8月5日(日),昭和大学旗の台キャンパス(東京都品川区)にて,『早期に気づく口腔機能の発達不全』をテーマに標記会が開催された(実行委員長:弘中祥司氏/昭和大).本年4月に,口腔機能発達不全症に対する「小児口腔機能管理加算」が保険収載されたことから,日常臨床における明日から役立つ情報を得ようと,診療室,大学,行政機関などさまざまな職場の歯科医師,歯科衛生士,その他職種の150名強が参加した.
会場内の様子
 講演I「口腔機能の発達と発達不全」では,弘中祥司氏(同上)が登壇.発達機能において,いわゆる“ボーダー層”の子どものスクリーニング方法として,口腔機能においては「ぶくぶくうがい(判定基準スコア:1~5)」を推奨し,小児の口腔機能発達不全への気づきは早期であればあるほどその修正は軽微であることから,就学前のできるだけ低年齢時に臨床現場で気づき,対応・支援すべきであること,機能を活かし,口から食べる喜び・満足感を学習させる重要性等について解説した.

 講演Ⅱ「診療室での口腔機能に対する取り組み」では,浜野美幸氏(東京都・千葉歯科医院)が登壇.具体的な臨床例を呈示したうえで,診療室で口腔機能発達不全に対応するメリットとして,早期発見および継続支援が可能であること,保護者から生活環境の情報を得やすいことをあげ,医療面接の場で保護者と患者(子ども)に問いかけ,気づいてもらい,正しい情報提供と具体的な支援策を提示することが有効であるとした.

 講演Ⅲ「健診の場面での口腔機能に対する取り組み」では矢澤正人先氏(東京都新宿区地域医療・歯科保健担当)が登壇.東京都新宿区の「もぐもぐごっくん支援事業」を例に,地域の保護者や育児関係者への歯科相談および講習会の実例,実際の問診票等を解説し,口腔機能を健診の場で評価する意義についてまとめた.
左から,弘中氏,浜野氏,矢澤氏
 全体討論の場では,子どもの口腔機能の評価においては,「保護者の尺度」の問題もあることが指摘され(例:子どもが「噛まない」のか,(その年齢では口腔内の状況から)「噛めない」のか,など),医療面接の場での情報収集の重要性が改めて確認された.また,歯科医師だけでなく,歯科衛生士のアセスメント力も求められていることが示された.

主催:ジョイント4
 ・口腔衛生学会関東地方研究会
 ・日本小児歯科学会関東地方会
 ・一般社団法人 日本障害者歯科学会
 ・日本歯科衛生学会

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