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日本補綴歯科学会 第127回学術大会 開催される
 6月15日(金)~17日(日),岡山コンベンションセンターおよびホテルグランヴィア岡山(いずれも岡山市北区)にて標記学会が「補綴歯科の挑戦と進化」をテーマに掲げ,約2,200名の参加者を得て開催された(大会長:皆木省吾氏/岡山大).
▲ホテルグランヴィア岡山と岡山駅
▲岡山コンベンションセンター
▲第一会場
 シンポジウム1「超高齢社会で求められる補綴歯科治療」ではまず須貝昭弘氏(神奈川県)が「超高齢社会がかかりつけ歯科医に求めること」として,多職種連携が求められるなかで,一般歯科医も医科の共通言語,地域包括ケアシステムや介護保険の仕組み,栄養学や認知症,嚥下機能について理解を深める必要があると自身の取り組みを通じて訴えた.次に上田貴之氏(東歯大)が「高齢者の口腔機能低下に対応した補綴歯科治療」として,口腔機能が低下した高齢患者では従来の形態回復のみでは機能回復につながらず機能訓練やリハビリテーションを併用した治療計画が求められると指摘した.糸田昌隆氏(大歯大)は「高齢者の生活機能を視点とした補綴歯科治療の一考察」として,身体機能は寿命に直接影響を与えるとのメタアナリシスを提示し,咀嚼が可能になることで摂食嚥下反射が促されること,それが栄養状態の改善と日常生活動作が向上につながるとして,要介護者の生活機能を支えるうえでの補綴歯科治療の重要性を述べた.
▲左から糸田氏,上田氏,須貝氏,座長の市川哲雄氏(徳島大)
 臨床リレーセッション1「インプラント治療におけるDigital Dentistry の現状と今後」では小濵忠一氏(福島県)と十河厚志氏(大阪府)がそれぞれ「インプラント治療におけるDigital Dentistry Up-date」「Digital 技工の現状と限界」と題してコラボレーション形式で講演.インプラント治療において口腔内スキャナーを用いたワークフローが広がりつつあるが,ラボサイドとしては内面適合やマージン調整において模型がなければエラーにつながる可能性があるとして,模型レスではなく3Dプリンターによる光造形樹脂による模型を適宜活用する必要があり,各種スキャナーの精度検証に基づく適応症の選択も重要になるとした.
▲左から小濵氏,十河氏
 臨床リレーセッション2「有床義歯の臨床を深める―軟質リラインとノンメタルクラスプデンチャー,短縮歯列への補綴介入のdecision-making―」では,まず村田比呂司氏(長崎大)が「軟質リラインの理論と術式」として軟質リライン材の種類と物性,下顎総義歯における軟質リラインの術式,適合試験材を用いる際の注意点などを供覧した.谷田部 優氏(東京都)は「患者ニーズと口腔状態から考えるノンメタルクラスプデンチャーの臨床選択」として,補綴歯科学会によるノンメタルクラスプデンチャーに関するポジションペーパーとガイドラインを引きつつ,現在の研究動向や使用される樹脂の種類と特性,レジンクラスプが支台歯周囲組織に及ぼす影響について考察した.笛木賢治氏(医科歯科大)は「口腔関連QoL からみた短縮歯列への補綴介入のdecision-making」として,Kaeyserによって示された短縮歯列(SDA)のメリットとリスクを示しつつ,「歯列短縮で口腔関連QoLは補綴治療を要するレベルまで低下するか?」「補綴治療で口腔関連QoLはSDAと比べて向上するか?」の2つのクリにカルクエスチョンを提示,システマティックレビューを通じて考察した.
▲左から谷田部氏,村田氏
▲左から笛木氏,座長の大川周治氏(明海大)
 シンポジウム5「接着技術を活用した補綴歯科治療の最前線と未来への展望」では,小峰 太氏(日大)が「オールセラミック修復への接着技術の功績」としてシリカ系セラミックスとノンシリカ系の高強度セラミックスにおける歯質との接着メカニズムを解説し,前歯部審美修復症例を通じてそれぞれの接着技法について述べた.新谷明一氏(日歯大)は「ファイバー補強高強度コンポジットレジンブリッジと接着補強理論」と題し,まず今般保険導入されたファイバー補強高強度コンポジットレジンブリッジについて概説.異方性材料であるグラスファイバーを補強材料に用いる際の設計の注意点を述べ,臨床例も示して被着面の接着処理を紹介した.峯 篤史氏(阪大)は「広がりゆくメタルフリー治療における接着歯学の役割」と題し,はじめにCAD/CAM冠と支台築造(根管内接着)に関する同大の基礎研究と臨床研究の成果を供覧.いずれについてもより確実な接着技法を追及する必要があり,歯質削除量をより低減できる接着技法と材料開発,アプローチの工夫が求められるとした.
左から峯氏,新谷氏,小峰氏,座長の矢谷博文氏(阪大),佐藤 亨氏(東歯大)
 次回大会は2019年5月10日(金)~12日(日)に札幌コンベンションセンター(札幌市白石区)にて開催される(大会長:横山敦郎氏/北大).

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