2017/12/12
2017年12月7日(木),8日(金),東京大学伊藤謝恩ホール(東京都文京区)にて約200名の参加者を集め,標記会が開催された.
大会長の尾島賢治氏(東京都開業)がドイツアライナー矯正歯科学会に倣って2014年に発足させた本研究会は,デジタル技術を応用したアライナー矯正治療による新たな可能性と革新的アプローチを目指し,毎年,意欲的なプログラムを展開している.
今年は,世界各国から著名なスピーカーを多数招聘し,アライナーを用いて歯の移動方向をコントロールする際のポイント,骨格性不正咬合など難症例へのアプローチ,外科や矯正用インプラントの併用,補綴医とのインターディシプリナリー治療など,幅広いテーマの演題が並び,ハイレベルな臨床例が供覧された.
キーノートスピーカーの一人であるコネチカット大学矯正歯科のRavi Nanda名誉教授は,アライナー治療は矯正治療のリスクファクターを低減すると述べ,治療期間を短縮するオプションとして導入されているさまざまな機材や術式について,それらの効果にどれだけのエビデンスがあるかを紹介した.
尾島氏は,術前のデジタルデータから作成した治療のゴールを顔面の動画で提示し,コンサルテーションを行うDigital Smile Designコンセプトを取り入れたアライナー治療について解説し,デジタルワークを駆使した治療の展望を示した.
また,9日(土)には加速矯正をテーマにしたポストコングレスも開催され,3日間を通じアライナー矯正治療に関する最新の情報が示された.