2017/10/17
10月15日(日),株式会社Doctorbook(歯科医療従事者向け情報サイト
Doctorbook academyを運営)の主催する標記講演会がエッサム神田ホール2号館(東京都千代田区)をメイン会場に,さらに東京都内および福岡市内にサテライト会場を設けて行われ,約120名の歯科医療従事者が参加した.
「総義歯専門Dr.が語るベーシックテクニック」と題して登壇した松丸悠一氏(フリーランス総義歯治療専門歯科医師)は,“明日から使える”知識・技術として診査,概形印象,精密印象,咬合採得について解説.問診では治療に対する患者の期待や過去の受診経験とその評価を確認することで患者背景を測るバロメータになることや,視診・触診時におさえておくべき解剖学的ランドマーク,コンパウンドテクニックのコツなどを平易に示した.
松田謙一氏(阪大)は「BPSテクニックから見えてくる総義歯臨床,次の一手」と題し,義歯の安定をはかるうえでは個々の症例ごとに物理学的要因と生物学的要因のバランスに配慮する必要があるなどの総義歯治療を難しくする各種要因と,大学教育で総義歯の臨床実習に十分な時間が割けなくなっている現状に触れ,「わかりやすくシステマチックで良好な結果を得られる」手法としてBPSによる総義歯治療のステップとメリット,術式のポイントを紹介した.
最後に金澤 学氏(医科歯科大)が「総義歯難症例にはインプラントをこう使え!―インプラントオーバーデンチャーの基礎―」とのテーマで登壇.インプラントオーバーデンチャー(IOD)の製作手順やデザインの使い分け,アタッチメント選択,2-IODにおける荷重時期,1-IODのアタッチメント装着手順などについて,エビデンスを網羅的に踏まえつつ自身の臨床研究に基づく実感も交えて要点を述べた.