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日本歯科衛生学会 第12回学術大会開催される
 2017年9月16日(土)~18日(祝),きゅりあん 品川区立総合区民会館(東京都品川区)にて「健康で長生き、上手に老いるために 」をテーマに本学術大会が開催された.
 16日(土)にはワークショップが催され,「急性期、回復期、在宅までシームレスな口腔機能の維持をめざして―口から食べる幸せを考える―」,「『地域ケア会議』ってなんだろう?―歯科衛生士が参加するために―」,「臨地実習教育を考える―学生の意欲を引き出そう―」など,さまざまなテーマについて専門家の助言を得ながら,問題解決を行うために参加者による盛況なディスカッションが行われた.
ワークショップ「『地域ケア会議』ってなんだろう?」の様子
 18日(日)「住み慣れた地域で最期まで自分の口から食べるために」と題したシンポジウムが開催された.本シンポジウムの基調講演には矢澤正人氏(東京都新宿区健康部 参事)が登壇.矢澤氏は地域の医療システムの構築には公衆衛生(生活モデル)と臨床(医療モデル)の融合が必要と説明.そのためには歯科医療従事者と行政担当者と顔の見える関係づくりが重要であり,それが地域包括ケアシステムを推進することに繋がると論じた.
 次に「最期まで『口から食べたい』を支える」と題し,秋山正子氏(白十字訪問看護ステーション 統括所長)が登壇.秋山氏は訪問看護師の立場から,患者さんの「最期まで口から食べたい」という思いを支えるために必要な視点を示した.そして,多職種,それぞれの視点から,今後患者さんがどのように変化するのかを予測するためのアセスメント力を身につけることが重要であると論じた.
 次に水野三千代氏(埼玉県和光市 外部管理栄養士)が登壇.「栄養管理における発想転換」と題した講演を行い,実際に和光市で行っている地域ケア会議について紹介.地域ケア会議においては,自身の専門領域からの説明をケア職や医療職に対してのみ行うのではなく,サービス事業者に対してもどのようなケアを行うべきか,簡単にわかりやすい言葉を用いて説明することが重要であると述べた.
 最後に「食を通じて生活を支える」と題し,篠原弓月氏(地域食支援グループ ハッピーリーブス 代表)が登壇.歯科衛生士が訪問診療を行い,患者さんの食べることを支えることで,劇的に患者さんの栄養状態が改善した症例を提示した.そして,訪問診療は患者さんの生活に入ることであり,その際には診療所とは違った配慮が重要であること,そして今後はより訪問診療のニーズが高まると述べ,より多くの歯科衛生士に訪問診療に出向いて欲しいと会場の歯科衛生士に訴えた.
ディスカッションの様子

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