2017/09/10
2017年9月10日(日),東京医科歯科大学(東京都文京区)にて,首都圏歯科技工士会連合会主催の歯型彫刻コンテスト『ほるほる』が開催された.第18回となる本大会には,学生の部59名,有資格者の部63名の計122名が出場し,日頃の練習の成果を競った.また,併せて日本歯科技工学会関東支部の平成29年度学術大会も同時開催され,コンテスト出場者らが参加した.
『ほるほる』は,制限時間90分のなか,開始直前に発表される課題部位を15×15×100mmの石膏棒に彫刻する.参考模型や絵図等を見ながら行うことは禁止されており,出場者には,対象歯の解剖学的特徴を正確に把握していることと,それを精密に再現する高い技術力の両方が要求される.今回は上顎左側第一大臼歯が課題として指定された.
学術大会は,「歯科技工『手技の実際Ⅱ』」をテーマに,テーブルクリニック2題が設けられた.
萩原圭子氏(萩原歯研)は,「エピテーゼ・ソマトプロテーゼの彩色 ―色彩と表面処理について―」と題して講演.口腔内以外の人体の欠損を補綴するエピテーゼ・ソマトプロテーゼについて,その製作の流れや材料について概説したうえで,外部彩色と表面コーティングの手法を実演した.
田中誠氏(愛歯技工専門学校)は,「歯科技工器材の開発と改善 ―道具の形と使い方を再考する―」とのテーマのもと,「石膏作業用特殊スポンジ」「ワックストランサー」「ゲージ付きインスツルメント」「ツインリーフフォーマー」など,これまでに氏が考案・開発した器材の数々を紹介した.
学術大会終了後に『ほるほる』の表彰式が行われ,学生の部,有資格者の部のそれぞれについて,最優秀賞1名,優秀賞2名,奨励賞6名が表彰された.学生の部では,的野史郎氏(新東京歯科技工士学校)が最優秀賞,古舘美弥氏(新東京歯科技工士学校),村田竜嗣氏(新横浜歯科技工士専門学校)が優秀賞に,有資格者の部では,岡田拓海氏(協和デンタル・ラボラトリー)が最優秀賞,内山大夢氏(ユーデンタルアート),小森弘介氏(鶴見大学歯学部歯科技工研修科)が優秀賞に輝いた.
本大会の入賞作は,来年1月に開催のモリタ歯科技工フォーラム2018でも展示される予定である.