2017/09/01
8月30日（水），ITビジネスプラザ武蔵 6F 交流室1（石川県金沢市）にて標記会合が行われた．
5-D HoIpS（Hokuriku Osseointegration Implant Perio Study club．会長：長谷川嘉平氏）とは，全国に5つある5-Dグループの一つであり，5-D Japanファウンダーである船登彰芳氏（石川県開業）の呼びかけによって発足したスタディグループである．年5回の例会のほか，不定期で外来講師によるセミナーを開催している．
今回は赤司征矢氏（
WHITE CROSS株式会社代表取締役）を招いて「日本歯科医療の社会的価値と戦略」と題した講演が行われ，会員ら約50名が参加した．
赤司氏は歯学部在学中に中小企業診断士の資格を取得し，卒業後に歯科医療法人に勤務して臨床に従事しながら同グループの品質管理部門にて医院経営管理に携わった後に渡米し，UCLA Anderson, School of ManagementにてMBAを取得．帰国後に「医療の質を高め，人々の健康を高め，歯科医療の社会的価値を高める」との理念を掲げて起業した経歴を持つ．今回はその立場から日本の歯科医療制度・市場に関する分析・考察を披歴した．
赤司氏は，今後日本の医療政策は「シックケア（治療）中心からヘルスケア（予防）とシックケアのバランスを図る」「地域包括ケアシステムの推進が図られる」方向に舵が切られようとしており，また「口腔の健康が全身の健康につながる」と国の文書で初めて明文化された一方で「それを歯科が担う」とは言及されていない現状を指摘し，歯科はヘルスケアの代表としての自覚を持ち，積極的に提言を行っていくべきとした．
さらに歯科におけるICTの利活用や歯科医院の経営管理の改善，知識技術職である歯科医師における継続的なトレーニングの重要性に触れたうえで，それに資する同社のウェブプラットフォームである
WHITE CROSSの概要と，今後の事業展開に絡んで「webサイトではなくインフラを作り上げる」「日本の歯科医療を国家の牽引産業に成長させる」との抱負を述べた．