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GC友の会60周年記念 第4回国際歯科シンポジウム
 11月12日(土),13日(日),東京国際フォーラム(東京都千代田区),JPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)にて,株式会社ジーシー創業95周年記念・GC友の会60周年記念 第4回国際歯科シンポジウムが「新技術・知識が臨床を変える~人びとの生活を支える歯科医療~」をテーマに開催された.
 12日に行われたセッション「患者さんとの関係が深まる! きっかけをつかむ秘けつ」には,今村智之氏(神奈川県開業),奥沢康彦氏(東京都開業),今村幸恵氏(今村歯科医院勤務),磯崎亜希子氏(歯科衛生士),吉泉 香氏(丸森歯科医院勤務),椛沢真利子氏(奥沢歯科医院勤務)が登壇.症例をもとにディスカッションが行われ,ブラッシング指導におけるコミュニケーションやアプローチ方法の理解を深めた.
 セッションでは,まず今村幸恵氏が「患者さんと共有するブラッシング指導」と題し,ほとんど歯磨きをしていないように思えるプラークが多量に付着した患者さんに対し行ったブラッシング指導の経緯を,具体的な会話の内容も示しながら供覧.その後,演者ら全員によるディスカッションをとおして,患者さんの意識が変わったターニングポイントや,信頼関係を築くきっかけとなった言動など,良好なプラークコントロールに導くことができた要因を考察した.
 同様に,吉泉氏が「どこに注目する? どう投げかける? ~ブラッシング指導を考察する~」と題し,TBIを行えば行うほどプラークコントロールが悪くなり対応に窮したケースを,椛沢氏が「患者さんの声が聞こえますか?」をテーマに,歯科への不信感をもつ患者さんへの指導のタイミングや声かけに苦慮したケースを提示.それぞれの症例に対する議論が交わされ,“きっかけをつかむ秘けつ”が紐解かれた. 
ディスカッションの様子
 13日(日)には「予防の成果に差が出る! Person(個人)-Prescription(処方)-Program(計画) 思考の3次元ネットワーク」と題し,加藤正治氏(東京都 開業)を座長とした歯科衛生士向けのセッションがおこなわれた.
 まず,「一人ひとりの患者さんへの効果を得るための予防プログラムを考える」と題し,山口志穂氏(笹島歯科室 歯科衛生士)が登壇.動的な治療期間中にどのように予防プログラムを組み立て,そしてどのような効果が得られたのかを症例を通じて発表が行われた.山口氏は予防プログラムを立てる際には,まず何を目的とするのかを考えたうえで,ケア製剤などを選択することが重要であると論じた,加えて,患者さんの病状だけでなく,環境の変化などにも注視し,予防プログラムを適宜変化させていくことが重要であると述べた.
 次に「患者ニーズと変化にあわせた情報提供とプログラム作り」と題し,片山章子氏(歯科衛生士)が登壇.患者さんが長く歯科医院に通い続けるためのメインテナンスプログラムについて,症例をもとに発表を行った.片山氏は患者さんが自身の口腔に興味をもってもらい,そして口腔状態を知ることが長期にわたっての通院を可能にすると論じた.そのためには,初診時に患者さんに気づきをあたえるようなプレゼンが重要であると述べた.
 最後に座長である加藤氏が登壇し,「セルフケア処方からはじめるケア型診療の新しいスタイル」と題した講演を行った.本講演では各医院に合わせた処方パターンの作り方など具体例を紹介しながらセルフケア処方の実践について解説した.“セルフケアの質”の向上には製剤・ツール・用法,用量を知り,これらの3要素を患者さんの状態に合わせた処方のパターンを作っておくことが重要であると論じた.そして,セルフケアにも関与していくのがプロケアであると論じ,歯科衛生士にエールを送った.
加藤氏
 また,併設されたデンタルショーでは新製品の紹介だけでなく,充実した体験コーナーも設置され,数多くの参加者でいっぱいの会場となった.また,シンポジウムとは別に歯科医師向けに13ものセミナー,歯科衛生士向けには7つのセミナー,そして歯科技工士向けには8回のデモンストレーションが行われ,盛況を博した.

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